2012年12月20日木曜日

弱音を吐こう介護日誌(36) 〜ま、またやられたー!!!のね

昨日は、オババに早めのクリスマスプレゼントと言おうか誕生日プレゼントと言おうか・・・とにかく、吟味吟味の上ローラアシュレイの生成りのカーディガンを持って行った。

今までの学習の結果:無地は下着である、木綿は下着である、模様がないと洋服ではない、厚いと駄目、ヒラヒラしている物が好き、露出狂の気あり、、、、と、私が持って行ったものはチュニックもTシャツも全部下着と化しているので、切なる願いを込めて持って行った。

最近オババはホームの事務所に入り浸りで、自分の指定席まで用意していただいている身分になった。なってしまったから仕方ない。職員室に居座った駄目生徒みたいな勘ありだが、これ又居心地が良いのだから仕方ない。

寂しい日々に訪れる所があるのはとても幸せなことで、快く受け入れて下さっているホームのスタッフの方々には感謝の言葉しかない。
多分母の精神状態も安定して、認知症の進行も少し治まっているのではないかと、良い効果を感じている。

時々私の到着時にも指定席で居眠りをしているオババを発見する。
するとどうも何となく支度がみすぼらしい。真冬に初夏の格好とでも言おうか、長袖こそ着ていてもどこかちぐはぐなひらひらした薄着で、私は赤面だ。たくさん洋服があるのに・・・

そこで、事務所にいてもあまり感じの悪くない、何か清潔感のある洋服をプレゼントしたいと思っていた。

オババには、模様の重ね着の傾向があるから、下に柄のものを着ていてもけんかしないようにできるだけ無地に近い感じで、でも透かし模様みたいなのが入っていて下着には見えないように、チクチクするのが嫌いなので、けれど木綿じゃ下着と勘違いするからカシミヤ入りコットンで、薄手だけれど、上から羽織れるように柔らかく温かいものを・・と悩んだ。

グレーやベージュは汚れた布にしか見えないから白に見えるくらいの生成りの前身ごろだけ複雑な数種類の編み目模様を組み合わせたレース風で・・・とても清楚で肌触りの良いカーディガンを見つけた。

記憶に残るようにきちんとプレゼント仕様にして持って行って、渡したら大喜びした。
「良かった!これで行けるかな?」とすら思った私だ。

ミントグリーンのオフタートル(私のお古だが、色が合うのでお気に入りを仕方なしに持っていった)の上に羽織ったらお世辞抜きでとても素敵だった。

これなら、事務所に居ても、お客様は逃げ出さない!「このホーム品があって悪くない」って思って下さるだろう・・・と自己満足していた。


と・こ・ろ・が・・・本日私が発見したオババは!!!
私の願いを込めたプレゼントのローラアシュレイのカーディガンを、上に羽織れるようにとたっぷりめのLサイズの素敵なカーディガンを、

ハイネックのピッタリした細身のニットの下に全部のボタンをしっかり留めて、裾をズボンの中にパンパンに詰め込んで、まさに下着として着ていたのだったー!!!!

又、やられたー!!

と言うか、今日はむしろ悲しくて、全身の力が抜けて、泣きたくなった。
大きな字でど真ん中にマジックで『市川』って書いてなかっただけ増しだったかな・・・

カシミヤ入りの下着は温かく軽く、さぞかし快適だったことでしょう。

PS/
たった一日で、私が持って行ったことも、プレゼントであることも、カーディガンであることも全て忘れ去っておりました。試練は続く。
物によって忘れる度合いを使い分ける、偉大なる認知症です。


2012年12月19日水曜日

『高校入試』 〜真犯人はだれ?

私の知っている人の中でも際立った読書家のYさんに「湊かなえさんの作品は面白いから〜」と薦められた今シーズンのTV番組が『高校入試』だった。

ちょっとズレた時間帯なので、うっかりしていると見逃してしまうかもしれない。

作家の名前は知っていたが、作品はまだ一つも読んだことがなかったので、好奇心で観始めたら止まらなくなった。元々ミステリーは好きなのだが、これは最後まで真相が表に出て来ないので面白い。

大概の作品はちょっと観ていると犯人が分かってしまうが、この作品はうまく隠されていて、関係する一人一人が一枚のパズルのかけらのように散りばめられてそれぞれのストーリーを持っている。そして全部が集まった時に一枚の完成された大きな絵になり全ての謎がからんだ糸がほどけるように解けるのではないだろうか?

しかも最後のひとかけらにみんなを踊らしている犯人の顔が浮き上がるように印刷されていて「そうだったんだ〜」と思うように・・・。
そして、多分最後の一枚にある顔は、『あの人』だ。

何となく芝居がかっているので、学校を舞台に先生方がそれぞれの教室で演じているのを演劇鑑賞をしているような気分になる。そして、それがいかにも作り物っぽいのに生の空気が伝わって来るのがとても面白い。

一回目にバックナンバーの『青い春』というエンディングのテーマにしびれて、itune-storeで買って聞いている。あの教室がバラバラになって行くバックの映像も、画面に色々なヒントが盛り込まれていて、まるで一枚一枚のパズルが散りばめられているみたいで面白い。

パソコンや携帯など今を象徴している様々な小道具を駆使した演出も実に今をついていて興味深い。若い子たちの蝕まれた心の中は・・・

そして、そこに登場する先生や保護者たちの会話から人間の本性のようなものを引き出して来るのがこの作品にたくさんの問題を提示していて、厚みを加えている。

私の気に入った作品は大体視聴率が低いのだが、今回はどうなのだろう?
そして最後はどのように締めくくるのだろうか?
果たして私の思った『あの人』は当りか、外れか?

ミステリーは人の心をたっぷり含んでいるから面白い。

2012年12月17日月曜日

『ゴーイング・マイ・ホーム』〜自然な会話がホッとする

『ゴーイング・マイ・ホーム』これはとても珍しい作品だ。
ここに流れている時間は静かでゆっくりで、ほんのり温かい。

高校生の頃『学生村』と言って、夏休み中に一ヶ月ほどの間、信州の田舎の民家が食事付きで受験生を受け入れてくれるシステムがあった。暑い夏の間、冷房も必要のない世界で勉強に精を出せるということが狙いだった。
もちろん、回りは田畑ばかりだし、夜になるとお蚕さんがバリバリ桑の葉っぱを食べる音ばかり聞こえて来るような、遊ぶ所など皆無の世界。

けれど、滞在中の村の小道を歩いている時にこれと良く似た静かな空気が流れていたのを思い出す。

長野県の鬼無里村、水芭蕉で有名な所だ。
食事は3食とも村の中心にある今にも倒壊しそうな木造の旅館に食べに行く。村に滞在中の受験生は各家庭から時間になるとその旅館の食堂にやってくる。村があまり静かなので、「ああ、こんなに居たんだ!」とその時思う。

私は高校のクラスの同級生とルームシェアして申し込んだ。
彼女とはそんなに仲良しだったわけでもないのに、不思議なことに、
「ソラちゃん、学生村行かない?」という声かけに
「うん、行く」何の抵抗もなく答えたのがきっかけだった。

一ヶ月間同室で、色々おしゃべりをして暮らした。さっぱりとしたとても良い友だち関係が築けた。
ところが彼女は念願の大学生になったその年に、ひどい貧血がもとで亡くなってしまった。私と同じ病気だった。学生村滞在から数ヶ月後のことだった。

この番組は、今までに全くないタイプの作品だ。映画ではあるかもしれないが、テレビドラマではとても珍しい。以前大好きで印象に残っている『すいか』とか、をちょっぴり思い出す空気が流れているかもしれないが・・。
最初はゴンチチの音楽が気持ち良くて、しかも時間があまりにもゆっくり流れるので眠くなって困ったが、しっかりはまって私を気持ちのよい世界に引き込んでくれている。

一番感じが良いのが、出演者の静かなつぶやきみたいな会話。
このしゃべり口調が、あまりにも自然で、その辺の村に入り込んでいつの間にか仲間になって、テーブルを囲んで手仕事をしながらだらだらしゃっべっているような感じがして、生活感があって、とてもいい。

宮崎あおいのちょっぴりひねくれたぶっきらぼうさ、山口智子の無理のない大きな温かさ、阿部ちゃんのあの調子。そしてもえちゃんの存在が大切なkeyになっている。
クーナの存在がいとも自然に受け入れられるから・・・

出演者の一人一人が当り役で、丁寧な作品だ。
西田敏行さんのおさえた役柄、お父さんの夏八木勲さんは本当にご病気ではないのだろうか?どうしても『風のガーデン』の緒形拳さんと重なってしまう。
もともと阿部サダヲ君は大好きだから、ほっぺを赤くして赤い三角のクーナ帽をかぶった姿はピッタリだ。

マッキーの主題歌とともに、もう少しの間この世界に心行くまで浸っていようと思う。見えない世界の中で、40年前のあの空気を感じながら。


2012年12月5日水曜日

What a coincidence! 〜今、40代男性ってモテモテなの?

40男はそんなに魅力的?

主人の姪と私の姪がどちらも40過ぎの男性と結婚しました。
当時、姪は一人が20代後半、もう一人は30代前半でした。

昨日私の姪が、男の子を出産。
その前日(二日前かもしれないが)主人の姪が女の子を出産しました。

What a coincidence!

そういえば、先日主人の両親の名代で出席した、主人の従兄弟(一番若い従兄弟)の結婚式は、やはり彼は40代。
全然焦ってなくて、素敵なお嫁さんをgetして、余裕の結婚式でした。

こんなに身近で3組も! 『40代の男性には何か特別な魅力とかがあるのでしょうか?』
と思う今日この頃です。