2012年3月23日金曜日

弱音を吐こう介護日誌(23)〜介護は元気じゃないとできない!

昨日から風邪で何とも不調だ。
Kzさんがロスに出張だったので、発表の準備で、この時とばかりに根を詰めてスペイン語の短編アレホ・カルペンティエールの"Los figitivos"を夜中まで必死で読み進めていたのがいけなかったのか?

昨日は喉が痛くて出歩くと悪化しそうな気がしたので、オババの所へは行かなかった。
その代わりに今日行ったのだが、まあdemandingなこと!昨日が今日に移動しただけで、行っている回数に全くの変化がないのに、昨日行かなかったことだけが頭に残るらしい。

昨日も具合悪くても来いと、すごい剣幕で言っていたが、今日も「明日も来い」と平気で言う。
水曜日も行っているのに、記憶が悪いというのは今しかないのだから何と都合が良いのか??

ふと去年の今頃のことを思い出した。頭の中の帯状疱疹で死にそうだった。身も心も疲れきっていてボロボロ・・・よく切り抜けることができたものだと今でも感心する。あんな状態では、オババから出流する罵りの言葉に打ち勝てるはずもない。

今日は声が出ないし、動いたせいで次第に熱っぽくなってくるし・・・オババはマイナス思考のことしか言わないし、おまけに超ご機嫌が斜めで鬼みたいだ。 こちらは答える気にもなれない、いつもかわせることが、今日は冗談で飛ばせない。
体調が悪いとこんなにコントロールが難しいものかと、つくずく感じた。つまり相手を自分のペースに引き込むにはすごいエネルギーが必要ということだ。今はそんなものない!

元気だったら、さっと交わして、逆手に取って笑いが取れるが、そんな余裕がなく、むしろ相手の幽霊みたいな負のオーラに包まれてしまって、がんじがらめになって行くのがわかる。
だから早く退散した。

到着も早かったのだが、彼女にそんな時間の経過が分かるはずもなく、いつもと同じ時間いたとは思えないらしい。認知症とつきあうのは本当に難儀だ。
一時半からの二時間と2時からの2時間では時間の長さが違うのだ。4時に帰る事にしているのに、3時半に帰るといつもより30分早く帰ったことばかりが目につくのだ。

「暇だ、こんな所にはもう一日たりともいられない」彼女がそういうことに苛立ち始めると本当に始末に悪い。実際彼女にできることは、自分の発想を変え、意思を持つ事で『今の状態を受け入れる』という動作をすること。だってもう、火も使えないし、お料理もできない。お風呂に一人で入れないし、洋服を選ぶことすらその気がない。ガスも電気もスイッチをオンにすることすらできない。人間、本当にしたかったら努力をすればいい、そして本当にできないときは諦めることも大切だ。どうにかできることと、どうにもできないことがあるのだ。

今の私には頭痛がひどくてご機嫌を取ったりなだめたりする余裕がない。不満をぶっつける人のことを目の前に考える気すら起きない。自分が呼吸するだけでやっと。

いつもなら「どうにかしてあげたい、苛立ちを取り除いてあげたい」って思うけれど、今日は「付合いきれない、勝手にしたら!」って気分だ。

このまま行くと自滅しそうなので、今から少し休憩して、のんびりする。
深呼吸で自律神経を整えて、気分転換。静かに、静かに・・・tranquila, tranquila

ヤエル・ナイムを聞きながら、長倉和平さん(中井貴一)と吉野千明さん(小泉今日子)のやり取りでも思い出そう。

2012年3月22日木曜日

『最後から二番目の恋』

今シーズン気に入って観ていた『最後から二番目の恋』が終わってしまった。
楽しかったなあ〜

岡田惠和さんの脚本なので最初に目を付けて見始めたが大当たりだった!
この人の作品の言葉のやりとりは本当に面白い。

しかし今日気が付いたのだが、演出が宮沢理江子さんだったのだ。
そうか、もしかすると私はこの人の演出も好きなのかもしれない、だって好きな作品の演出欄にはいつもこの名前がチラホラ見えている気がする・・・と思い、wikipediaで調べたら、出てくる出てくる、私の超お気に入りの作品が続出だった。

多分、私は彼女の演出の作品が好きなのだ。
もちろん脚本家とのコンビネーションによるのだろうけれど・・・・
『風のガーデン』『優しい時間』『流れ星』『拝啓父上さま』『ビーチボーイズ』「きらきらひかる』・・・etc そうそう、『101回目のプロポーズ』もそうだった。
みんなじっくり観てしまう、優しくて温かくて・・・。

話は戻るが、岡田さんの脚本の中で繰り広げられる『擬似家族』、『ちゅらさん』の時もそうだった、他人の集まりがまるで本当の家族みたいになってしまう、あの世界がたまらなく好きだ。

寂しい人間が集まって、他人同士なのに人が寄り添うとそこにfamilyが形成される。下宿だったり、旅先にたどり着いた宿だったり、借家だったり・・・そして時には本当の家族よりも優しく温かく、厳しく、居心地が良かったりする。その世界が彼の作品の中に存在しているから、観ていたい、その中に座ってちょっと休みたい、包まれたいって思う。

早くから家族を離れて暮らしている娘の周りに、そんな世界があることをいつも密かに祈っている私だ。私がそれをあげられなかったから・・・

それにしても、この作品は面白かった。
いつもしわができるほど笑って、ヤエル・ナイムの曲に乗って体が揺れる。
そしていつまでもこの世界に居たくて、CDまで買ってしまった私だ。

それから、宮本理江子さんは山田太一さんの娘さんだった。これは、青山先生が詩人の長田弘さんの弟だったと知った時の次くらいの驚きだ。 やはり血統ってあるのかな? もっとも、うちは大した事ないけど〜

2012年3月17日土曜日

ぐたびりたぁ〜・・・!

うちの息子が何をするにもギリギリまでやらない理由が良く分かった。
父親からの遺伝だったのだ。

ダンナさんのKzさんは忘れ物の天才だった。
そしたら息子のKも同じ血を引いた。我が家には忘れ物の天才が二人居る。
そして、振り回されるのはいつも私だ。

Kzさんは今日からアメリカ出張。
深夜便で出発なので昼間お土産を買いに行ったり、準備ができた。しかし出発間際まで、大忙し。だって何も用意してないのだから。
急のアイロンがけや、あれやこれや、とにかく私はこき使われぱなし。
買い物は自分の物ばかりで、私の物は一つもない。先週行った時も同様。私の物は何もない。
ふん、いいさ、どうせ私はソラさんだだよ〜ん!

軽い夕食を済ませる途中で、「あれっ?定期がない」と言いだした。
家の中を可能性を求めて、探しまわった。コートに背広に鞄にピーターの前に・・・しかし、ない。
いつもは、この辺で私が見つけるのだが、今晩はない。

おはぎを食べると言うので、お茶をいれ、おはぎをお皿に、しかしない。

「昨日帰る時はあったの?」
「うん、あった」
「まあ、空港へ行く時の分は切符を買えばいいか」と言うので、
「おいおい、もし失くしていたら、被害甚大でしょ?スリとか・・・」とつっこむと
「定期でしょ、pasmoでしょ、icocaでしょ、それにsuica、スイカは1万円入れたばかりだし・・」
「そ、それって、そんなに暢気じゃいられないぜ」
大事件!

「こんなに探してないなら、じゃあ、コンサート会場?それとも鎌倉バスタ?」
「じゃあ、明日電話しておくね」
夜遅いから、明日という発想になったし、これから出発なので、明日という発想になったけれど、ここがKzさんの頭が柔らかいところ。(っつか、当たり前か!)
「今でもいいんじゃない?まだ店やってるよ」

そこで、まず文化会館へ電話。
「ピン・ポーン」あった!!
ロッカーへコートを預けた時か、コートを着る時に落としたに違いない。
彼は忘れ物だけじゃなくて、実は、落とし物も天才なのだ!

車で送るついでに、文化会館まで取りに行って、ギリギリ無事出発。
私はせっかくいれた茶も飲めず、家中探したり、ひっくり返したり、電話をしたり、交渉したり・・・とにかく働きっぱなしなのに、何故? 何故彼はしっかりお風呂にまで入って、出発して行ったの? どうしてどさくさに紛れてそれができるの?

文化会館へ行き、駅まで送って、家に戻った時「ぐたびりたア〜、、おはぎ食べよ!鈴懸のおはぎ。熱いお茶いれなおして・・・」とテーブルにやっと座ったら、「あらっ?どうして?いつちゃっかり食べちゃったの?」Kzさんのおはぎはすっかり消えていました。

うちのダンナ、やっぱただもんじゃない。
あの非常時に。

この調子だと、息子にもなんだかんだと振り回されそう、いや、もうすでに振り回されているか・・・気をつけよう、いつも痛い目に遭うのは私だ。
どさくさに紛れておはぎを食うくらいにシタタカにならないと、、、
遺伝子は怖いぞぉ〜〜!!