2011年2月22日火曜日

『精霊たちの家』  ~La casa de los espiritus~


イサベル・アジェンデ作

木村榮一訳


パトリシア先生に薦められてずっと気になっていた本をやっと読み終えた。

2段構えの長編なので読みでがあったが、面白くてどんどん読んでしまった。

歴史を背負っているすごい作品だ。


恨みや憎しみで復讐してはいけない、復讐が復讐を呼び末代まで変わることのない憎しみが又子孫に返ってくる。そして留まることのない憎しみの繰り返しが永遠に続くことになる。

そんなメッセージが身にしみて感じられた。


それにしてもラテン文学は悲劇や残酷さの中にも何とも言えないユーモアがあって、実に面白い。

ガルシア・マルケスを読んでいてもそうだ、救われない残酷さの中に何ともやりきれないのに、妙に清清しく不思議な笑いがあるのだ。くすっと笑ってしまうような。


そして、思うのだ、『そう、この笑いの余裕を持って受け止めれば、人生何が起きてもそう悪くはないぞ』って。


精霊たちの力が及ばない闇の世界がある。

私も精霊たちに見守られているような気がするのだが、多分その領域外にでてしまうと、彼らでも助けることがだきないのだろうなあ~と、ふと思ったのだ。そして、それと戦わねばならないのは自分の勇気と信念と愛と賢さ。

2011年2月21日月曜日

動くとき、動かされるとき

人生、何度か『気がついたらいつの間にか動いていた』というときがあると思います。

母のことに関しては、毎晩のお祈りのときに父に向って「お父さん、どうかお母さんに一番良いときに一番良い方法を与えてください。そうしたら私はそれに向って全力で動きますから」と祈っていました。

そして今回がその時だったようです。
何もかもが不思議な力に乗せられて、自然に動いていったという感じなのです。
そしてそれをするためにいつの間にか動かされていた、というのが今回のことでした。

何もかもがレールが敷かれた通りに運ばれて行ったということです。
運命ってあるのかもしれない。
そして、家の母は大変運の良い人なのかもしれない、そう思った日々でした。

私もあまり色々考えず、運命のレールに乗ってみようかな?
でも私のはあまり良い運命ではないかもしれないけれど・・・

2011年2月17日木曜日

弱音を吐こう介護日誌⑤ 〜まじかぁ~??

オババのショートステイでの生活に限度が来ているようだ。
毎日夜中にムワムワした空気が漂ってきて、私にオババが訴えるのです。

急いでこちらでホームを捜しました。
オババのこれからの人生が幸せになるか否かの大事な選択なので、マジ緊張しました。

①私の家の近くであること。同様に兄も来易いこと。
②雰囲気が良いこと
③システムがシンプルなところ

そんなことを気にしながら幾つか歩いたけれど、武蔵野は値段が高い、けれど住んでいる人の生活水準も高いから雰囲気は良い、しかし雰囲気がよいから人気があってなかなか空きがないのだ・・・・という結論に達しました。
そんななか、武蔵野が一杯だった同系列の会社の武蔵関がオープンしたばかりだったお陰で空きがあり、そこに入所させてもらうことになりました。そして武蔵野に空きが出たときには移ることができるようにしていただきました。waiting listが・・・・いつ来るかな?

昨日長野へ飛び、5時間待ってオババの主治医に健康診断書を書いていただき、直ぐにFaxしてやっと交渉が進められる立場になりました。これから22日にホームの人とオババとの面談があり、それでOKが出れば3月1日には入所できることになることでしょう。

実は昨日施設へ行ったときには、心配が絶頂に達していたのです。

というのも、前々日施設に電話して私が行くことを直接伝えたくて、電話口にお願いしたら、つないでくれなかったのです。「電話で話すと動揺するから・・・」と話をさせてもらえませんでした。
私は母の性格を良く知っていますから、話せば分かるのに。でもこれは余程ひどいのだと、マジ落ち込みました。暴れているのかしら???と。
たった2週間でそんなに変わってしまうの???と。

でも、私が行った時の母は、もう子供みたいに嬉しそうで・・・あの意地っ張りが良くあそこまで喜びを表に出したものだと感心するくらいに、素直に喜んでいました。
そして嬉しさのあまり歩けなかったはずのオババが歩いた!!
「市川さん、歩いているじゃありませんか!」って介護の人たちもビックリ!

good newsを伝えて、おばあちゃんも少し落ち着きました。まだ、私が誰か分かったようで、、、、まじ良かった!
28日は引越しだよ! ババチャン!!!
あの我儘が代名詞みたいなオババが良く我慢したね。
偉かったね!!

2011年2月2日水曜日

弱音を吐こう介護日誌④ 〜重いなあ・・・

オババは、ショートステイを延長した。

今日兄が契約更新で長野へ行った。
最初すっかり呆けてしまっていたらしい。途中で誰なのか分かってきたらしいが・・・
みんなもう死んでしまったと思っていたらしい。
私も月曜日に長野へ行って、病院へ連れて行くが、何だか気が重い。

人間が歳をとるというのはどういうことなのだろう。長い間生きてきたのだから、大事にしてあげなければいけない。惨めな最後にならないように。
2月中は寒くて無理だから、このままショートステイで頑張ってもらい、3月になったら家へ連れて来よう。認知症が始まっているおばあさんの下の世話や諸々のことを含めて、全部ひっくるめて面倒を見てあげよう。

そして、どうしても手に負えなかったら、今waiting listに載せてもらった、家から歩いてでも行けるホームに入れてあげよう。そうすれば自転車で毎日行ってあげられる。私を分からなくなってしまうのも、もう直ぐなのだろうか・・・

せめて歩こうとして欲しい。もう一人で頑張る気力がないのだろう。
頑張りたくないのだろう。
家族の温かさが必要な時が来た。
89歳まで一人で頑張ったのだから、安心出来る所でゆっくりしても良いのだろうと思う。
3月まで待てるかな? ババチャン!