大正11年1月1日生まれの母が、令和2年2月11日に他界した。98歳だった。
父の命日が2月1日だったので多分父が迎えに来てくれたのだと感じた。
静かに静かに呼吸がゆっくりになって、最後の最後まで少しずつ空気が抜けていくように全部出し切ったように息を引き取った。
けなげで素敵な最後だった。
人生を生き切るってこういう感じなのだと思った。
2020年3月17日火曜日
2019年8月10日土曜日
2019年7月26日金曜日
認知症の特徴 〜身内の訪問は脳を活性化させる
ホームに入所して8年になる認知症の母は、当初「すぐにご家族のことがわからなくなります」と言われたのだが、97歳になった今もかろうじて私と兄のことはわかるようだ。ホームに行くと手を振ってニコニコしてくれる。
最近大声を出したり、相手をしてくれないスタッフに『バカ!」と怒鳴ったり、怖い思いをすると奇声をあげたりすることも多くなり、明らかに認知症の症状は進んでいる。
最近大声を出したり、相手をしてくれないスタッフに『バカ!」と怒鳴ったり、怖い思いをすると奇声をあげたりすることも多くなり、明らかに認知症の症状は進んでいる。
2018年7月26日木曜日
認知症の特徴 〜少しずつ衰えていきます
この認知症の特徴シリーズ前回では、幻覚と幻視について書きました。
初めての母の行動に大変ショックを受けたのですが、その後一度も私の前で幻覚症状が出たことはありません。新しい薬に変わったことで何かが起きたのだと思います。
又、あの時の対応の悪かった看護婦さんは、すぐにやめてしまいました。申し訳ないのですが、なんだかホッとしました。
今は温かい人々に囲まれています。
けれど一度病気をするごとに衰えていきます。
初めての母の行動に大変ショックを受けたのですが、その後一度も私の前で幻覚症状が出たことはありません。新しい薬に変わったことで何かが起きたのだと思います。
又、あの時の対応の悪かった看護婦さんは、すぐにやめてしまいました。申し訳ないのですが、なんだかホッとしました。
今は温かい人々に囲まれています。
けれど一度病気をするごとに衰えていきます。
2018年4月26日木曜日
認知症の特徴〜幻覚?幻視?
96歳になる認知症の母が今年の始まりから、目やにを出していたので抵抗力が落ちているのを感じ始めていた矢先、涙膿炎になってまるでゴルフのポールのように眼が腫れてしまいました。
涙腺に膿が溜まってしまい、手をよく洗わずに片方の眼を触ってしまって余計悪化してしまいました。そこで細菌をなくすために抗生物質を14日間飲みました。
そして眼はどうにか普通に戻りました。
その前から足にむくみが来ていて、心肺能力が衰えてきていると言われていたのですが、足元が不安定で転倒が心配ということで、そこでむくみを取る薬を飲み始めるということになり、薬の量が増えたこともあり、全く食欲がなくなってしまいました。
涙腺に膿が溜まってしまい、手をよく洗わずに片方の眼を触ってしまって余計悪化してしまいました。そこで細菌をなくすために抗生物質を14日間飲みました。
そして眼はどうにか普通に戻りました。
その前から足にむくみが来ていて、心肺能力が衰えてきていると言われていたのですが、足元が不安定で転倒が心配ということで、そこでむくみを取る薬を飲み始めるということになり、薬の量が増えたこともあり、全く食欲がなくなってしまいました。
2016年8月4日木曜日
認知症の特徴 〜見守るのは忍の一字!
母がホームに入所して6年目に入っている。ホームの開設と一緒だ。
このホームがスタートした時からのメンバーが随分居なくなり、母より後に入った方々も少しずつ入れ替わっている。見慣れたお顔がいつの間にかそっと消えてしまっている。
認知症の94歳としたら、看護婦さんにも言われたが、母は模範になるくらい最も健闘している一人だ。
このホームがスタートした時からのメンバーが随分居なくなり、母より後に入った方々も少しずつ入れ替わっている。見慣れたお顔がいつの間にかそっと消えてしまっている。
認知症の94歳としたら、看護婦さんにも言われたが、母は模範になるくらい最も健闘している一人だ。
2016年3月16日水曜日
老衰待ちの老婆と生まれたばかりのパグの赤ちゃん 〜圧迫骨折vs捻挫
2月の半ば生まれて2ヶ月のパグの赤ちゃんが我が家にやってきた。
空ちゃん、女の子(私の名前、ソラさんの別読みで、クウちゃん、Cooちゃんだ)
以前からKzさんが頼んでおいたワンちゃんなので、母がこんなことになるとは思っていなかったことから、断るわけにもいかない状態だった。
寒い寒い、長野のブリーダーさんの所からやってきた。
私は、死にそうな母の世話と、元気いっぱいの生まれたばかりのやんちゃな仔犬の世話としつけのギャップで頭の中がパニック状態になり、母への心配と仔犬のしつけを今やれねばと思うプレッシャーの中で心のゆとりがすっ飛び、おまけに締め切りの迫っている翻訳の仕事のプレッシャーに押しつぶされ、何だか妙に疲れきって、、、すべて私に任せっ放しで、家に帰ってくると昼間の私の苦労もそっちのけで思い切り可愛がっている夫にも腹が立ち、、、もう駄目!
人生最悪の窮地に突入した。
空ちゃん、女の子(私の名前、ソラさんの別読みで、クウちゃん、Cooちゃんだ)
以前からKzさんが頼んでおいたワンちゃんなので、母がこんなことになるとは思っていなかったことから、断るわけにもいかない状態だった。
寒い寒い、長野のブリーダーさんの所からやってきた。
私は、死にそうな母の世話と、元気いっぱいの生まれたばかりのやんちゃな仔犬の世話としつけのギャップで頭の中がパニック状態になり、母への心配と仔犬のしつけを今やれねばと思うプレッシャーの中で心のゆとりがすっ飛び、おまけに締め切りの迫っている翻訳の仕事のプレッシャーに押しつぶされ、何だか妙に疲れきって、、、すべて私に任せっ放しで、家に帰ってくると昼間の私の苦労もそっちのけで思い切り可愛がっている夫にも腹が立ち、、、もう駄目!
人生最悪の窮地に突入した。
2016年2月29日月曜日
認知症の特徴〜圧迫骨折からの生還と老衰待ち
1月8日の圧迫骨折からあと少しで2ヶ月になります。
一時は全く食べ物、飲み物を受け付けなくなり、点滴で様子を見たものの、自力で食べないと延命措置になるということで、点滴も取りやめ・・・ついに老衰を待つのみになりました。
私は毎夜母が亡くなる悪夢にうなされて目が覚めました。
主治医からは、「できるだけお孫さんや、ひ孫さんとの時間を大切にしてもらい、楽しい静かな時を過ごさしてあげてください」と言われ、兄も私も死を受け入れる覚悟をしました。
一時は全く食べ物、飲み物を受け付けなくなり、点滴で様子を見たものの、自力で食べないと延命措置になるということで、点滴も取りやめ・・・ついに老衰を待つのみになりました。
私は毎夜母が亡くなる悪夢にうなされて目が覚めました。
主治医からは、「できるだけお孫さんや、ひ孫さんとの時間を大切にしてもらい、楽しい静かな時を過ごさしてあげてください」と言われ、兄も私も死を受け入れる覚悟をしました。
2016年1月18日月曜日
認知症の特徴 〜圧迫骨折は命取り
1月で94歳になった母は、順調に衰えてきている。
人間の一生とはこのように終わりに向かうのだろうか?とあまりにも図式通りのことが起きるので、言葉がない。
新年早々腰の左側の部分を抑えては「痛い痛い」と言っていたのですが、翌日行ったら、母は車椅子に乗っていました。
人間の一生とはこのように終わりに向かうのだろうか?とあまりにも図式通りのことが起きるので、言葉がない。
新年早々腰の左側の部分を抑えては「痛い痛い」と言っていたのですが、翌日行ったら、母は車椅子に乗っていました。
2015年11月26日木曜日
認知症の特徴 〜次の段階・無関心『もうどうでもいい』状態に突入
入居して四年と9ヶ月記憶容量は徐々に少なくなってきているものの、どうにか小康状態を保ち今日まで来た。
自我が強く真っ直ぐな母は嫌なことははっきり言うが、何故かひょうきんで正直なので人から好かれホームでも平和に暮らしている。
自我が強く真っ直ぐな母は嫌なことははっきり言うが、何故かひょうきんで正直なので人から好かれホームでも平和に暮らしている。
2015年9月16日水曜日
骨折かと思ったら蜂窩織炎! 〜認知症は記憶がないから危険もいっぱい
93歳の母はホームの廊下をシルバーカーを押しながらいつも元気に歩いている。
「私は痛いところがないから幸せなのよ」としばしば口にし、身体は少しねじれているものの、とりあえず歩けている。立派!
先日カートを手で押した時に方向によって左手に痛みを訴えた。
「珍しいわねえ〜、どこが痛いの?」チェックすると、手首が腫れて熱を持っていた。力を入れた時と左折が痛いらしい。
「私は痛いところがないから幸せなのよ」としばしば口にし、身体は少しねじれているものの、とりあえず歩けている。立派!
先日カートを手で押した時に方向によって左手に痛みを訴えた。
「珍しいわねえ〜、どこが痛いの?」チェックすると、手首が腫れて熱を持っていた。力を入れた時と左折が痛いらしい。
2015年5月7日木曜日
認知症の特徴 〜天使と悪魔の日替わりメニュー
母は四年前に、アルツハイマー型の認知症と認定され、「もう直ぐご家族のお顔も判断できなくなりますよ」と医者に言われてはいたものの、今日までどうにかまだ私の顔は認識できている。
もう直ぐはどれくらいなのだろう? 4年はもう直ぐではないような気はするのだが、その日は明日にもやってきそうな気もする。
今日は、特別食の日で、ランチは豪勢な和食だったらしい。
ホームに着くとおやつの時間で4人がけのテーブルでおしゃべりしながらお茶をしていた。
もう直ぐはどれくらいなのだろう? 4年はもう直ぐではないような気はするのだが、その日は明日にもやってきそうな気もする。
今日は、特別食の日で、ランチは豪勢な和食だったらしい。
ホームに着くとおやつの時間で4人がけのテーブルでおしゃべりしながらお茶をしていた。
2014年10月3日金曜日
認知症の特徴 〜『ババ抜き』はなかなかいい!
毎週水・木曜日と必ずホームの母の所へ行っている。
このリズムが崩れると、母の調子が不安定になって乱れるのでここ3年間できるだけ、このペースを守っている。
水曜日に行った時のこと。
受付で、「みなさまとトランプをやっていらっしゃいます。」と言われたので、『ええ??うちのオババにトランプができるのかいな?』と不安に思いながらダイニングへ行くと、何だかテーブルを囲んで楽しそう。
私に向かって手を振った。
このリズムが崩れると、母の調子が不安定になって乱れるのでここ3年間できるだけ、このペースを守っている。
水曜日に行った時のこと。
受付で、「みなさまとトランプをやっていらっしゃいます。」と言われたので、『ええ??うちのオババにトランプができるのかいな?』と不安に思いながらダイニングへ行くと、何だかテーブルを囲んで楽しそう。
私に向かって手を振った。
2014年7月9日水曜日
認知症の特徴 〜変化を嫌う
うちのおばあさんの口癖は、「早く死にたい」と「こんなところに居るばっかりで・・・」だ。
買い物が大好きな母は、多分外に出て、自由に自分の行きたい店をのぞいて、好きなものを買って・・・と思っているのだろうが、実際はあまり動けない。
3年前に軽井沢に連れて来た時には、オババの反抗心にめった打ちにされ、死ぬ程疲れた。重い重い、心をえぐられるような悲しい疲れだった。二度と「連れて外泊はしない」と心に誓った。
今回は兄夫婦と協力し合って、最近落ち着いているので、少し外に出してあげようと、軽井沢行きを企てた。
やれやれ・・・結果は散々だった。
散々だったが、朝起きると本人はけろりとして、まんざら気分が悪そうでもないのが、救われた。
買い物が大好きな母は、多分外に出て、自由に自分の行きたい店をのぞいて、好きなものを買って・・・と思っているのだろうが、実際はあまり動けない。
3年前に軽井沢に連れて来た時には、オババの反抗心にめった打ちにされ、死ぬ程疲れた。重い重い、心をえぐられるような悲しい疲れだった。二度と「連れて外泊はしない」と心に誓った。
今回は兄夫婦と協力し合って、最近落ち着いているので、少し外に出してあげようと、軽井沢行きを企てた。
やれやれ・・・結果は散々だった。
散々だったが、朝起きると本人はけろりとして、まんざら気分が悪そうでもないのが、救われた。
2014年3月27日木曜日
認知症の特徴 〜反射神経
母が認知症になっても、びっくりしたことが二つある。
一つは、歌。
どうしてメロディーは忘れないのだろうか?とても良い声で正確に歌う。
人の名前はいくら教えても覚えられないのに、歌詞は覚えている。
二つ目は、反射神経。
母は大変な運動神経の持ち主だったのだが、うまく歩けもしないくせに無意識に動くときの素早さは唖然とする。
一つは、歌。
どうしてメロディーは忘れないのだろうか?とても良い声で正確に歌う。
人の名前はいくら教えても覚えられないのに、歌詞は覚えている。
二つ目は、反射神経。
母は大変な運動神経の持ち主だったのだが、うまく歩けもしないくせに無意識に動くときの素早さは唖然とする。
2013年10月16日水曜日
認知症の特徴 〜老人ホームと家族のチームワークで
母がホームに入所したのが2011年の2月だから、2年と8ヶ月になる。
最初から入所していた、母が一人だけお友だちとして認識していた方が亡くなったことを知り、辛いなあ〜とやりきれない気持ちになりながら、毎日同じ屋根の下で暮らしていながら、それに全く気付かない母を見ると、改めて複雑な気持ちになる。
以前は、彼女が救急車で連れて行かれたと言っては心配し、姿が見えないと気にし、滞在先の病院に「お見舞いに行く」とまで言っていたのに・・。
今では、居なくなったことすら気付かない。
最初から入所していた、母が一人だけお友だちとして認識していた方が亡くなったことを知り、辛いなあ〜とやりきれない気持ちになりながら、毎日同じ屋根の下で暮らしていながら、それに全く気付かない母を見ると、改めて複雑な気持ちになる。
以前は、彼女が救急車で連れて行かれたと言っては心配し、姿が見えないと気にし、滞在先の病院に「お見舞いに行く」とまで言っていたのに・・。
今では、居なくなったことすら気付かない。
2013年10月3日木曜日
認知症の特徴 〜衣類の順序編
以前にも何回かおばあさんの洋服の着方のめちゃくちゃさや奇妙な傾向について触れたことがあったが、いよいよ本格的になってきた。
認知症になると、着替えをいやがるとか、季節感が全くなくなるとかはよく聞くが、もう少し進むと順序が分からなくなるらしい。
認知症になると、着替えをいやがるとか、季節感が全くなくなるとかはよく聞くが、もう少し進むと順序が分からなくなるらしい。
2013年5月16日木曜日
弱音を吐こう介護日誌(40) 〜老人ホームで好かれるには?
うちのオババは最高に口が悪い。
威張っているし、我が儘だし、負けず嫌いだし、命令口調だし、ずぼらだし・・・だけど、何故か人に好かれる。
どうしてだろうか?と考えてみた。
答えは、『お茶目!!』(しかも、天然の)
威張っているし、我が儘だし、負けず嫌いだし、命令口調だし、ずぼらだし・・・だけど、何故か人に好かれる。
どうしてだろうか?と考えてみた。
答えは、『お茶目!!』(しかも、天然の)
2013年5月1日水曜日
認知症の特徴 〜ショートメモリー(短期記憶)の欠如
母がホームに入り、アルツハイマー型認知症と診断されて2年と2ヶ月が過ぎた。
認知症の病名をいただいているにもかかわらず、私には母はアルツハイマーではなく、ただの歳相応にボケたばあさんなだけなのではないだろうか?と思いたい気持ちは続いている。
ここのところ便の出が悪いらしく、日記帳に「うんちあり」の記録がほとんど無くなっている。
今までは几帳面な母は、排便後直ぐに必ず「ウンチあり」と書いていたのだ。
スタッフの方々も母が「今日はありません」と言っても、必ず母の日記帳をのぞく。そしてニッコリして「あらあら、市川さん、ありましたよ、ほら!ここに書いてある」と言いながら母と顔を見合わせる。
母驚き顔で一言「あったかねえ〜!」
その記述がほとんどないので、看護婦さんに「便秘でしょうか?」と相談したが、「もしかしたら、出ているのに日記の所へ移動する間に忘れてしまっているかもしれません。最近記憶障害が以前より進んでいる感じがします」と言われた。
「それは私も感じます、特に直前の記憶が・・」と頷くと、
「今以上のことはする手立てがありません。これからは見守るしかないかもしれませんね」と言われた。
メマリーとレミニール錠が効いていたせいか、模範生に近いくらい認知症の進行が止まっていた母だが、やはり来るときが近づいているのかもしれない。
今日は、また蚊帳みたいなカーディガンを羽織ってトイレから出て来た。これを着ているときは要注意だ。しかも先日私が買って行ったピンクの長い羽織りもののカーディガンの上にそれより小振りの蚊帳を羽織っているのだから、何ともみっともなかった。
「お母さん、このピンクのカーディガンは一番上に羽織るものだから、この蚊帳みたいなのを上に着なくてもいいんだよ」と言うと、素直に「変だわねえ〜」と頷いていた。
2時45分頃、どうもアクティヴィティのことが気になるらしく、「ちょっと行って来る」と言って出て行った。通常私が来ている時は、あまり参加したがらないのに変だな?と思ったが、「それは、いいことよ、行ってらっしゃい」と送った。
3時になっても戻らないので、向こうでお茶にしたのかな?と私は部屋で片付けをしていた。
母は、私が居る時は、迎えに来るか、お茶は向こうでしないで部屋で一緒にしようと戻って来る。稀にお茶とおやつをいただいてから大急ぎで部屋に戻ることもあるので、今日は私の嫌いな蚊帳を着ていたくらいだから後者かな?・・・と部屋で待った。
実は、私も前日の家のエアコン工事で疲れていたので、お年寄りと一緒に笑顔でお茶する気分にもなれなかったので、部屋で本を読んでいた。
ところが、3時半になっても戻らない。もう出て行ってから45分になる。いくらなんでもこれはない!こんなことは初めてだった。
『やれやれ、とうとう来たか! これは、私が来ていることを完璧に忘れている』と確信した。多分今日は部屋を出た途端に忘れてしまったに違いない。
実はもっと前にそう思ったのだが、それでも思い出すかも・・と微かな希望を胸に実験的に待ってみたのだった。
これ以上待つと折角来ている時間が無駄になってしまうので迎えに行った。
案の定、顔見知りの女性Kさんと話し込んでいる。
これはとてもとても有り難いことで、お話し相手がいるのだと心から嬉しかったのだが、母は私の顔を見てビックリしている。
ほとんどドッキリカメラ並みの驚き方だ。
「すっかり忘れていた。ソラちゃんいたのね」
お隣の女性もビックリ! そしてみんなであきれて大笑い!!
しかし、母は珍しく落ち込んで「こんなに来るのを待っているのに、一番楽しみにしているのに、それなのに忘れちゃうなんて・・・」としおらしく何度もぶつぶつ言っていた。
この事件も直ぐに忘れてしまうのだと思うけれど、本人に戦う意志があってもやはり海馬の萎縮にはかなわないのだろうか?こんな悔しさが脳に働いて踏ん張ってくれたりはしないのだろうか?
どんなに頑張っても、『グッド・ハーブ』の映画にあった、徐々にアルツハイマーが進行して行ってしまう植物学者のお母さんのように意志とは関係なく来る時が来てしまうのだろうか?
認知症を観察しつつ、見守りつつ、どうにかならないのかともがきつつ、自分のもがきが母の安らぎを奪わないようにと願いつつ、平常心で受け入れながらも、やはり何か自分にできることはないのだろうかと戦い続ける私だ。
認知症の病名をいただいているにもかかわらず、私には母はアルツハイマーではなく、ただの歳相応にボケたばあさんなだけなのではないだろうか?と思いたい気持ちは続いている。
ここのところ便の出が悪いらしく、日記帳に「うんちあり」の記録がほとんど無くなっている。
今までは几帳面な母は、排便後直ぐに必ず「ウンチあり」と書いていたのだ。
スタッフの方々も母が「今日はありません」と言っても、必ず母の日記帳をのぞく。そしてニッコリして「あらあら、市川さん、ありましたよ、ほら!ここに書いてある」と言いながら母と顔を見合わせる。
母驚き顔で一言「あったかねえ〜!」
その記述がほとんどないので、看護婦さんに「便秘でしょうか?」と相談したが、「もしかしたら、出ているのに日記の所へ移動する間に忘れてしまっているかもしれません。最近記憶障害が以前より進んでいる感じがします」と言われた。
「それは私も感じます、特に直前の記憶が・・」と頷くと、
「今以上のことはする手立てがありません。これからは見守るしかないかもしれませんね」と言われた。
メマリーとレミニール錠が効いていたせいか、模範生に近いくらい認知症の進行が止まっていた母だが、やはり来るときが近づいているのかもしれない。
今日は、また蚊帳みたいなカーディガンを羽織ってトイレから出て来た。これを着ているときは要注意だ。しかも先日私が買って行ったピンクの長い羽織りもののカーディガンの上にそれより小振りの蚊帳を羽織っているのだから、何ともみっともなかった。
「お母さん、このピンクのカーディガンは一番上に羽織るものだから、この蚊帳みたいなのを上に着なくてもいいんだよ」と言うと、素直に「変だわねえ〜」と頷いていた。
2時45分頃、どうもアクティヴィティのことが気になるらしく、「ちょっと行って来る」と言って出て行った。通常私が来ている時は、あまり参加したがらないのに変だな?と思ったが、「それは、いいことよ、行ってらっしゃい」と送った。
3時になっても戻らないので、向こうでお茶にしたのかな?と私は部屋で片付けをしていた。
母は、私が居る時は、迎えに来るか、お茶は向こうでしないで部屋で一緒にしようと戻って来る。稀にお茶とおやつをいただいてから大急ぎで部屋に戻ることもあるので、今日は私の嫌いな蚊帳を着ていたくらいだから後者かな?・・・と部屋で待った。
実は、私も前日の家のエアコン工事で疲れていたので、お年寄りと一緒に笑顔でお茶する気分にもなれなかったので、部屋で本を読んでいた。
ところが、3時半になっても戻らない。もう出て行ってから45分になる。いくらなんでもこれはない!こんなことは初めてだった。
『やれやれ、とうとう来たか! これは、私が来ていることを完璧に忘れている』と確信した。多分今日は部屋を出た途端に忘れてしまったに違いない。
実はもっと前にそう思ったのだが、それでも思い出すかも・・と微かな希望を胸に実験的に待ってみたのだった。
これ以上待つと折角来ている時間が無駄になってしまうので迎えに行った。
案の定、顔見知りの女性Kさんと話し込んでいる。
これはとてもとても有り難いことで、お話し相手がいるのだと心から嬉しかったのだが、母は私の顔を見てビックリしている。
ほとんどドッキリカメラ並みの驚き方だ。
「すっかり忘れていた。ソラちゃんいたのね」
お隣の女性もビックリ! そしてみんなであきれて大笑い!!
しかし、母は珍しく落ち込んで「こんなに来るのを待っているのに、一番楽しみにしているのに、それなのに忘れちゃうなんて・・・」としおらしく何度もぶつぶつ言っていた。
この事件も直ぐに忘れてしまうのだと思うけれど、本人に戦う意志があってもやはり海馬の萎縮にはかなわないのだろうか?こんな悔しさが脳に働いて踏ん張ってくれたりはしないのだろうか?
どんなに頑張っても、『グッド・ハーブ』の映画にあった、徐々にアルツハイマーが進行して行ってしまう植物学者のお母さんのように意志とは関係なく来る時が来てしまうのだろうか?
認知症を観察しつつ、見守りつつ、どうにかならないのかともがきつつ、自分のもがきが母の安らぎを奪わないようにと願いつつ、平常心で受け入れながらも、やはり何か自分にできることはないのだろうかと戦い続ける私だ。
2013年4月3日水曜日
認知症の特徴 〜被害妄想編〜
母の物忘れは大変激しいのだが、ある種の被害妄想だけは記憶として残っている。
入所当時、自分の物が人に盗まれるのではないかと心配で心配で、心をすり減らしていた。
洗濯物を持って行く人、コップの消毒に来る人、掃除に来る人などは全員容疑者だった。
雑巾用タオル一枚でも敵意むき出しだった。
何度も○○がなくなったと訴え、そのうちに架空の物まで無くなったと思い込むようになり、探すから洗濯室に連れて行けと訴え、まさに被害妄想の塊になった。
何かを持って行こうとすると、目を剥いて反対した。
『認知症の特徴 ~固執編~』や、『認知症の特徴 〜記憶力低下と無気力編〜』 でも書いたが、盗まれることに関しての母の不安は凶暴性こそ減ったが、まだまだ続いている。
長い間、私の持って行ったスカーフが見つからなかった。
首が汚いから隠したいと言うので、持って行ったものだ。
何処を探してもなく、事務所に届けた。もちろん、「多分本人がどこかにしまったのだと思うけれど、もしどこかで見かけたら母に戻して欲しい」とお願いしておいた。
今日、発見!
シルクのハンカチと供に、袋に入れて隠してあった。
本人は、『私に返さねばならない大切な物』と心に刻んだようで、大事にしまったのだろう。
「ここにあるものは全部お母さんの物だから、返す必要はないのよ。それより使ってね」と何度伝えても、次の時にはどこかに奥深く仕舞ってしまう。しかもどこに何を隠したか忘れてしまうので、探すのに時間がかかること・・・
『ま、またやられたー!!!のね』 で書いた、ローラアシュレイのプレゼントの生成りのカーデガンは、本日、ついに黒のマジックで表の裾に近いきれいな模様の上にかなり目立って漢字のフルネームで名前が書かれてしまった。
「お母さん、名前ちゃんと書いてあるのにどうしてこんな所に書いちゃうの?もうよそ行きに使えないよ。これで何枚目!!!」
さすがの私も腹が立ち、怒鳴った。
「だって、大事なものだから盗まれたら困るから・・・」
「盗まれる前に、着れなくなっちゃうでしょ?囚人じゃないんだから番号や名前をゼッケンみたいに大きくど真ん中に書く必要ないでしょ??違う?」
「お願いだから、土曜日に持って来た、二枚のきれいなカーデガンには名前書かないでね。もう、内側にきちんと書いてあるんだからね。あれはよそ行きになるんだから、絶対にマジックで台無しにしないでよ。」
「だって名前は目立った所に書かなくちゃ、私のだって分からないじゃない」
「・・・」(筋は通っている(泣))
「理由は何でも良いから、とにかく書かないで。今度書いたらもう私ここへ来ないよ」
「来ないなら、仕方がないわねえ」とご本人主張が続く。
「本当に来なくていいのね? 分かったわ」(くそばばあ!)
私も認知症の御仁を相手に、本気になって大人げないが、
どうか、記憶に残って下さい「ソラちゃんが何だか怒っていたなあ」と。
帰りがけにクローゼットのドアをしめようと中を見たら、ハンガーにかかっている全部の洋服の袖がお隣同士お互いに結んでつないであった。
多分知恵をしぼった盗難防止策なのだ。だって、一つ取ろうと思ったら、芋づる式に全部つながって出て来てしまうもの・・。そこまで、心配でたまらないのだろうと思うとちょっと哀しい。
他のことは全部忘れてしまうのだから必死で頭を使っているということで、脳の為には良いことなのだろうか???
が、思わずうっかりと「おぬし、できるな・・・」と言ってしまうところだった。
入所当時、自分の物が人に盗まれるのではないかと心配で心配で、心をすり減らしていた。
洗濯物を持って行く人、コップの消毒に来る人、掃除に来る人などは全員容疑者だった。
雑巾用タオル一枚でも敵意むき出しだった。
何度も○○がなくなったと訴え、そのうちに架空の物まで無くなったと思い込むようになり、探すから洗濯室に連れて行けと訴え、まさに被害妄想の塊になった。
何かを持って行こうとすると、目を剥いて反対した。
『認知症の特徴 ~固執編~』や、『認知症の特徴 〜記憶力低下と無気力編〜』 でも書いたが、盗まれることに関しての母の不安は凶暴性こそ減ったが、まだまだ続いている。
長い間、私の持って行ったスカーフが見つからなかった。
首が汚いから隠したいと言うので、持って行ったものだ。
何処を探してもなく、事務所に届けた。もちろん、「多分本人がどこかにしまったのだと思うけれど、もしどこかで見かけたら母に戻して欲しい」とお願いしておいた。
今日、発見!
シルクのハンカチと供に、袋に入れて隠してあった。
本人は、『私に返さねばならない大切な物』と心に刻んだようで、大事にしまったのだろう。
「ここにあるものは全部お母さんの物だから、返す必要はないのよ。それより使ってね」と何度伝えても、次の時にはどこかに奥深く仕舞ってしまう。しかもどこに何を隠したか忘れてしまうので、探すのに時間がかかること・・・
『ま、またやられたー!!!のね』 で書いた、ローラアシュレイのプレゼントの生成りのカーデガンは、本日、ついに黒のマジックで表の裾に近いきれいな模様の上にかなり目立って漢字のフルネームで名前が書かれてしまった。
「お母さん、名前ちゃんと書いてあるのにどうしてこんな所に書いちゃうの?もうよそ行きに使えないよ。これで何枚目!!!」
さすがの私も腹が立ち、怒鳴った。
「だって、大事なものだから盗まれたら困るから・・・」
「盗まれる前に、着れなくなっちゃうでしょ?囚人じゃないんだから番号や名前をゼッケンみたいに大きくど真ん中に書く必要ないでしょ??違う?」
「お願いだから、土曜日に持って来た、二枚のきれいなカーデガンには名前書かないでね。もう、内側にきちんと書いてあるんだからね。あれはよそ行きになるんだから、絶対にマジックで台無しにしないでよ。」
「だって名前は目立った所に書かなくちゃ、私のだって分からないじゃない」
「・・・」(筋は通っている(泣))
「理由は何でも良いから、とにかく書かないで。今度書いたらもう私ここへ来ないよ」
「来ないなら、仕方がないわねえ」とご本人主張が続く。
「本当に来なくていいのね? 分かったわ」(くそばばあ!)
私も認知症の御仁を相手に、本気になって大人げないが、
どうか、記憶に残って下さい「ソラちゃんが何だか怒っていたなあ」と。
帰りがけにクローゼットのドアをしめようと中を見たら、ハンガーにかかっている全部の洋服の袖がお隣同士お互いに結んでつないであった。
多分知恵をしぼった盗難防止策なのだ。だって、一つ取ろうと思ったら、芋づる式に全部つながって出て来てしまうもの・・。そこまで、心配でたまらないのだろうと思うとちょっと哀しい。
他のことは全部忘れてしまうのだから必死で頭を使っているということで、脳の為には良いことなのだろうか???
が、思わずうっかりと「おぬし、できるな・・・」と言ってしまうところだった。
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