昨夜、母からいきなり電話が来て随分な勢いで怒っている。
「ソラちゃん、私何も食べないで帰って来た。ここの管理は変だわ。あんなゴミみたいなものしか食べさせないで・・・」
「どうしたの? 夕飯が何かおかしかったの?」
「おかしいも何も、もう他へ移るから、引っ越す準備して」ととても大げさに大事件のようにまくしたてている。私にはどうしてこの発想になるのか、甚だ不可解。
「お母さん、ホームを変えても同じよ。もう少し待ってみようよ。明日の朝ご飯も、お昼も変でそれが1週間続いたら考えてみましょう」
「・・・・」
「それにホーム変えたら、又1千万払わないとならないよ。もうお金ないよ」と言いながら、先日のSさんとの会話を思い出していた。あの数日前にも、ちょうど同じような声のトーンで怒りの電話がかかってきて同じようなことをまくし立てていたのだった。
これで3回目。しかも訴える内容が酷似している。
今までのパターンから、母はあまり根拠のないことでは怒らない。誤解にしろ何か小さな手がかりがあるはずだ。そう思わせる共通のメニューとか・・よく飲み込めない人の食事が出て、細かく刻んであったとか・・・
そこで仲良しの看護婦さんのMさんに
「昨日の夕飯のメニュー何でした?実はカクカクシカジカの訴えが合って、これで3回目。すごい怒り方で、こちらがビックリしてしまい。。。共通する何かがないかと悩んでいるところである〜〜」と相談してみた。
Mさんが言われるには、一度お食事が終わって、お部屋に戻り何らかの理由で再び食堂に戻って来られることがあり、その時に食堂へ入った途端に「今、食事に来たところ」とスイッチが入ってしまい、それなのにスタッフは無視して食事を出してくれない、薬もくれない・・・だから私は何も食べずに戻って来た!という現実に突き当たることになる。
みんなは母がすでに食事を済ませていることを知っているので、無視して一生懸命働いているから、「私の食事は?」と聞いても相手にしていられない。お薬も二度は出してくれないのは当然だ。
そこで彼女はプライドが傷つきカンカンに怒ってしまう。
だって、本人にしてみるとまだ『食べてない』のだから。
「それだ!!」私は妙に納得!
母の言動をつなぎ合わせると、つくづく思い当たってしまう。
ついに認知症が次のステージに行き、幻覚とか被害妄想の世界に突入かと思ったが、ただ『一瞬にしてお食事が済んでいることを忘れてしまった』だけと解釈しようと思う。
食事を待っているのに出してくれなかったら、怒るに決まっているから。
認知症とはそういうものだから・・・理由が分かって、気持ちをシェアしてあげられて良かった!と思う私でした。
余程おおらかな気持ちにならないと、自分の母親のこういう変化はつらいものです。
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