2014年8月25日月曜日

さよなら、ロイヤルコペンハーゲンのティーラウンジ

先日久しぶりに新宿の伊勢丹へ行った。

そこへ行くと、大概の場合ロイヤルコペンハーゲンのティーラウンジでランチかお茶をするのだが、いつもの待ち時間の並んでいる椅子で順番が来るのを待ちながら、ふと壁の張り紙を見ると、「今月21日でお店をクローズします」と言った意味合いのことが書かれていた。
「・・・!」


今まで63年間生きて来て、40歳代くらいの時に気が付いたことなのだけれど、

『私たちの好きな店は姿を消す!』

又だ!!った。

この店は、30年近く前になるのだろうか? 吉祥寺の近鉄デパート、今のヨドバシカメラのあるビルの2Fにとても素敵な広いスペースで、ロイヤルコペンハーゲンのお皿や花瓶や壷や、陶器、ガラス製品・・・それからジョージ・ジャンセンのアクセサリーなど、全てそろった店と併設して、素敵なティーサロンがあったのだ。

当時、法外に値段の高いコーヒーや紅茶を出す店だった。
まだポットサービスでコーヒーを出す時代ではなかったが、この店は数万円するポットにお茶やコーヒーを入れて出してくれた。
何も言わないのに、お菓子が付いたりしていた。

アメリカから帰国して間がない時だったので、日本のお代わりすると又お金を払わねばならないちまちました感じが窮屈でならなかった。
その上、私たちは、ごみごみした所が嫌いだったので、主人と二人でこの広さを買っていた。

もともと北欧の物が大好きだったので、当然、ジョージ・ジャンセンも好きになった。
そしてまだ小さな子供たちを連れて行っても空気が悪くなかったし、お店がおしゃれだったので、子供たちも大人しく座っていた。

そうこうしているうちに、近鉄の場所食いのこの店は無くなった。空間の使い方が贅沢過ぎたのだろう。そして、新宿の伊勢丹でとても小さなティーサロンになっているのを見つけて、又愛用させてもらった。
私はここのカレーが大好きだったのだ。

近鉄でサーブしていた支配人的な男性が、この店に来ていた。子供たちにそっとお菓子を下さったあのおじさまだ。

とても小さな狭い空間だが、それがあることが私たちを豊かにしてくれていた。

椅子に座って待ちながら、受付の女性に(彼女は最初からここで働いている女性支配人みたいな人だが)
「どこかに移るのですか?」と聞いたら、
「完全撤退です、ここが最後の店ですから・・」と寂しそうだった。
「近鉄にあったころから、大好きでずっと通わせていただいていました。」と言ったら、本当に嬉しそうだった。
「寂しいですね、私大好きだったのに・・・」

最後にチキンカレーを食べて、Kzさんはオープンサンドを食べて、コーヒーを飲んでお別れした。

彼女はレジの所で、とても深く頭を下げてくれた。
「本当に長い間、ありがとうございました」と目を潤ませて気持ちを伝えてくださった。

本当に良いものは、段々消えて行くのかもしれない。だって採算が合わないし、手がかかるのだから・・・通算30年近くも通ったのに、味の落ちない店だった。

ありがとう! まだまだ、陶器は愛用し続けますからね。

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