2016年8月4日木曜日

認知症の特徴 〜見守るのは忍の一字!

母がホームに入所して6年目に入っている。ホームの開設と一緒だ。

このホームがスタートした時からのメンバーが随分居なくなり、母より後に入った方々も少しずつ入れ替わっている。見慣れたお顔がいつの間にかそっと消えてしまっている。
認知症の94歳としたら、看護婦さんにも言われたが、母は模範になるくらい最も健闘している一人だ。



健常者の方々はホームライフを「ここしか居る所がないから」と寂しそうではあるけれど覚悟を決めて暮らしていらっしゃり、そういう人たちはとてもしっかりしていて、呆けもぜず、お元気に静かに穏やかに暮らしていらっしゃる。

母は初めから認知症の領域に入っていたから、仕方ないが、よく持っていると思う。

廊下のネームプレートがなくなる部屋の前を通るたびに心にざわざわした風が吹くが、静かに取り外され、いつの間にか新しい名前に変わっている。母は全く気がつかない。

認知症の進行の仕方にはかなり個人差がある。

いくら健闘していた母でも、やはり今年の始まりの圧迫骨折の後は急に悪化した。気性が激しくなり、乱暴になり、物事に無関心になり捨てばちだ。

けれど、時々以前のようにお話ができたり、「ソラちゃん忙しかったら来なくてもいいからね」などと私を気遣った言葉をかけてくれる日もある。
そんな時は、なんだか今までの疲れが吹っ飛ぶほど幸せだ。

かというと、今日などは最悪!
顔を見た途端に「今日は手こずるぞ」とわかる。怖い顔、シワが濃くなり目がきつく、言葉が伝わらない。表情が全くなくなり笑わない。返事をしない・・・とにかく乱暴で、お菓子しか興味がない。

同じ動作の繰り返しが始まった。
ドアを開けて、廊下をぐるりと見渡し、変化がないとドアを開けたまま、横にあるクローゼットのドアを開け、何かを確認する。
次に冷蔵庫のドアを開け、中を見て、「何もない」とすごくがっかりしたようにつぶやく。お菓子は一瞬のうちに全て食べてしまうので、置いておくことはできない。
目の前で量を決めて置いておかないと、とにかく終わるまで全部食べてしまうのだ。

そしてベッドの所によいしょ、と腰掛ける。

この一巡の動作を私が行っている間だけでも6〜7回繰り返す。座ると同時に立ち上がるからうっとおしい。

いよいよ、今までと少し変わって良くドラマにあるような認知症らしくなってきた。
今日は、廊下を見ながらスタッフに「何かありませんか?」とおやつを食べてきたばかりなのに、催促をしていた。
自分はおやつを食べてないと主張している。

やれやれ、我慢我慢、かつての母と比べたりせずに、ひたすら見守るしかないと思う。批判せずに、受け入れて。

でないと、こちらのイライラが本能的に、すぐに伝わるから。

0 件のコメント:

コメントを投稿