2018年7月26日木曜日

認知症の特徴 〜少しずつ衰えていきます

この認知症の特徴シリーズ前回では、幻覚と幻視について書きました。
初めての母の行動に大変ショックを受けたのですが、その後一度も私の前で幻覚症状が出たことはありません。新しい薬に変わったことで何かが起きたのだと思います。
又、あの時の対応の悪かった看護婦さんは、すぐにやめてしまいました。申し訳ないのですが、なんだかホッとしました。
今は温かい人々に囲まれています。

けれど一度病気をするごとに衰えていきます。



今は自分の部屋がどこなのかわからなくなり始めました。いつも「どこへ行けばいいの?」「これは食べ物?」「わからない」と随分言うようになりました。

あの後、再び涙囊炎にかかり左目の下がぷっくり腫れました。膿を出す切開の手術を勧められましたが、はっきりお断りしました。以前手術をしたことがあり、回路が開通できませんでした。もう何十年も付き合っている病気だからです。
同じような繰り返しになりましたが、どうにか最低限の薬だけで調子を取り戻してきました。

けれど、精神面での衰えはどんどんひどくなり、認知症もさらに進んできています。不思議なのは時々「冴える」ことです。
もともとひょうきんな人なので時々起きるその冴えが皆の好感を得ています。

今日は、ソフトクリームの日でした。
私が行くと自分の分を「食べなさい」と勧めてくれるのですが、スタッフの人が私にも用意してくださったので、遠慮なくいただきました。

その時、同じテーブルのおばあさんとテーブルの下で足が触ったのです。母は、自分の領分に侵入してきた人の足を蹴飛ばしたのです。すると相手の人も負けていません。け飛ばし返しました。
母に対抗する人はあまり見たことがないのですが、このやり取りに私は大いに感動しました。小さい子供の小ぜり合いみたいで可愛らしかった。

「痛いわね、何するのよ」彼女は母に向かって怒鳴りました。
「私の前に入り込んできて、ここは私の場所!人のうちに入ってくるな!」母がどなり返しました。
「あなた、人のうちって何よ・・・』と。

私はニコニコして間に入って、「どうもすみません。錯覚起こしちゃってびっくりしたのです。それにしても自分のうちっていうのがおかしいですね。」とおばあさんに謝りました。おばあさんは私と顔見知りなので、すぐに笑って許してくれましたが、実は彼女もけ飛ばし返しているのだから大したものです。

認知症の人には相手に対する心からの敬意を持って接すると、気落ちが通じます。絶対に年寄り扱いしたり、子供言葉を使ったり、ボケているのだからとごまかしたり嘘をついてはいけません。
そしていつも礼儀正しく、でも笑いを引き出すように会話するとみんなで笑って良い空気が流れます。
幸い母もすぐに忘れるので、一緒に笑っていました。

まだ、私のことがわかるので嬉しいです。
ただし衰えがかなり進み、しぼんできました。それでも96歳の母はまだシルバーカーを押しながら歩いています。歩けなくなった人々が殆どですが。


0 件のコメント:

コメントを投稿