2011年7月29日金曜日

弱音を吐こう介護日誌⑯ 〜あのさぁ~

いつもいつも そんなに愚痴ばっかり言っていて
自分が嫌にならない?

それも無意識なのかな?

不平不満を吐き出しているのかと思って、聞き役になって受け止めていたけれど
実際はそうじゃなくて
繰り返すことによって『自分はこんなに不幸だ』って確信しているみたい
自分の不幸を忘れないために・・・
だって、吐き出した後全然すっきりしていないもの
もっと強力な不平の火達磨になる

『私にはこういう不満がある』ってリストを作って
いつでも言えるように何度も暗記しているみたいよ

こんなに記憶が薄れてきているのに、頭の中が嫌なことばかりで一杯じゃ
もったいないよ
どうせ覚えていようと思うなら もっと楽しいことにしようよ
心が温かくなることにしようよ

今思っている不幸なんて、不幸のうちに入らないよ
だってこんなに家族が心から温かく見守り、手助けし望みをかなえようと一生懸命
みんな手を差し伸べているのだから

シルバーカーを押せばある程度歩けるし
おしゃべりできるし笑うことだってできる
美味しいお食事を自分で食べることができるし、材料の買い物や作る心配もいらない
自分ではできない掃除や洗濯もしてもらえる
第一病気がないじゃない
外出したかったら、そう言えばいつでも連れていってもらえる

病気で動けず、食べるものがなくて、一人ぼっち
そしたら、人は不満を言う元気すらなくなってしまうんだよ
涙も出ない
助けを求める力もなくなり、静かに死ぬのを待つだけ・・・

もう若くないし、皮膚が染みだらけ、それが何だって言うの
生きてきた証じゃない
そんなこと、堂々と威張って受け入れなきゃ

愚痴の液体にどっぷり浸かって、醜く染まっていくよりは
穏やかな温かい気持ちになって、まわりのひとたちを穏やかな温かい気持ちにしてあげようよ
長い年月生きてきた人にしかできないことがあるんだよ

エネルギーは良くても悪くても強い方から弱い方へ流れるんだって
私のエネルギーは穏やかなんだけれど、
まだ強くないから身体が丈夫じゃないから、しっかり受け止めることができなくて
あなたの恨みのエネルギーにいつも負けてしまう

いつも穏やかに、温かく・・・と決意して行くのだけれど
少しずつあなたの不満のエネルギーに侵食されくたくたになって帰ってくるの
微笑みは全部吸取られて・・・
まるで宮崎駿さんの世界

私のオーラがそれに勝るには、多分もう少し私の身体が丈夫になって
精神ももっと逞しく優しくならないとね
そして、あなたに少しでいいから慈しみの気持ちが芽生えてくれたら大きな力になるだろうな
少しずつ、少しずつ・・・

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