2012年6月17日日曜日

一番の元気印だったのに!

友だちが亡くなったのは高校の時以来だ。

今朝、私の携帯に登録してない人から電話がかかって来た時、何となく分かった。
そして相手がお名前をおっしゃった時、訃報だと感じた。

ご主人とは面識がなく全く初めてお話したが、奥様が亡くなられたばかりなのにとても落着いていらして、配慮のある感じの良いご主人だった。
いつも彼女から話しを聞いていたから、何となく親しみを感じた。
そして、私もとても落着いて事実を受け留めたのだが、、、理解はできたのだけれど、信じられなかった。

彼女は稀にみるマイペースの女性で、上智のKevinのクラスで13年おつきあいした女性だった。初めてクラスに参加したときの同期が男性2、女性2人の計4人いたのだが、そのうちの一人だった。4人ともその後もずっとクラスを取っていたし、それ以前から取っていた友だちもそのクラスで出会った人々は今でもとても仲が良い。

どんと構えていて何にも動じず、いつも少しずつズレていてむしろかなり鈍感に見えるのだが、意外にもとても鋭い感性を持っていて、人を見抜いたり、その時の落とし穴を指摘する能力はなかなかだった。(興味あることに偏ってはいたが)

13年前の最初のクラスの映画は『フライド・グリーン・トマト』。今までのベストと言える程面白いクラスだった。
何故か彼女は私になついていて、(私より年上)いつも授業の後に「あそこのあれね、こういうことよね?」「あれはこういう意味でしょ?」必ず私をつかまえて聞くのだが、合っている試しがなかった。あまりズレているので少々うっとおしくもないではなかったが、いつの間にか無言の信頼関係のある10年を超える付き合いになってしまった。

人のことなど全く気にすることなく、いつものびのびマイペースで、辛口の発言も平気だった。
私があまり率直に物を言うので、その裏表のなさが気に入ったのか、「ソラさんの居ないクラスは、つまらない・・」と私が講座を取らないといつもキャンセルしていたほどだ。

今年の4月、私は母のことがあるので今回もクラスを取ることができなかった。
ある日珍しくまぶしいほど鮮明に彼女の夢を観たので、すぐにメールした。
「あなたの夢をみました。とてもお元気そうで・・・・・・今回もおやすみします〜」と、しかし返事が来なかった。

彼女は気まぐれだからそんな時もあるのだが、少し遅れても必ず返事はくれたし、講座の合間には必ず連絡をくれていたから、へんだなあ〜と思っていた。

いつも楽天的で、「なに、あの3畳一間って、しょぼくれた世界ねえ。あたくし嫌だわ」とかぐや姫の神田川や赤ちょうちんの歌のことをすか〜〜んと文句言っていた。あれはわれわれ世代のバイブルみたいな曲なのに、彼女には全く縁がなかった。

「それに、何よ銭湯なんて、とんでもない!貧乏臭くて嫌!」

あの夢の中の思いっきり元気な彼女が、最後に私が見た彼女になってしまった。とびきり生き生きしていて私にはっぱかける。イメージがまだ鮮明に刻まれている。

「ソラさん、野菜ばっかり食べているから、直ぐ捻挫するのよ。かまぼこお食べなさい!」
「大丈夫、息子さんは絶対大丈夫よ!お嬢さんもね」

「なんで私にだけ言わないのさ?」と一度大事な報告を彼女の口から直接聞かなかった時に文句言ったことがある。

彼女の答えはこうだった、「そんなこと恥ずかしくて言えないわよ、そういうことは一番大事な人には最後でいいの、しかもどこかの誰かからそれとなく耳に入ればね。」

F子さま、本当にもういないの?


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