2013年5月16日木曜日

弱音を吐こう介護日誌(40) 〜老人ホームで好かれるには?

うちのオババは最高に口が悪い。
威張っているし、我が儘だし、負けず嫌いだし、命令口調だし、ずぼらだし・・・だけど、何故か人に好かれる。

どうしてだろうか?と考えてみた。
答えは、『お茶目!!』(しかも、天然の)



オババはすごく小柄だ。だからどこそこ小さくて可愛い。

しかし、時々逞しい母になって、正直で人を思いやって優しい!

認知症だから記憶は続かないのだが、性格はそのまま残っている。

今日は、病院へ連れて行った。
左膝が痛くて歩けないので、整形外科に行った。

レントゲンを撮る時に、
「あんた、もっと優しく扱いなさい。あたし、年寄りなのよ。痛いよ、痛い。ほんとにもう!!」
とレントゲン技師のお兄さんを怒鳴っている、私は隣でハラハラ、
「すみません、口が悪くて。これ!」と言いながらオババの頭をこつん!

するとオババはきまり悪そうにニヤリとする。
すると、なんだこのクソばばあはと思っていたスタッフの雰囲気が急に和やかになり、
みんなで大笑いしながら、実に優しく扱ってくれた。

昨日は、ホームで看護婦さんのTさん、
「市川さんは本当に癒し系で、大好きです」と真面目に訴えて下さった。
「ホームをいい雰囲気にして下さるから、なくてはならない人なので、長生きして欲しいですね。本気でそう思います」意外な台詞に私はビックリ!

「ありがとうございます、そう言っていただいて・・母も幸せです。」私も神妙にお礼を言う。すると

「昨日は、事務所で誰も居なくなってしまった時がありまして(オババは事務所にしばしば顔を出す)・・・市川さんだけ置いて行く訳にいなかいので、困っていたところに呼び出しのベル。30秒だけ、部屋を空けなければならなくなりました。」
多分入居者を事務室に一人で残しておくなどとは最悪のことなのだろう、いつも迷惑をかけていて申し訳ないと思いながらドキドキして聞いていると、

「市川さん、すぐ戻って来ますからね、ちょっとだけここで待っていてね」と椅子に座らせると、
「はいよ、私電話番していてあげるから、安心して行ってきなさい」と91歳のオババがやる気十分で言ったそうだ。そしたら、

「ちょっと、紙と鉛筆もよこして。用件忘れると大変だから」と言われ、Tさん吹き出しそうになったが、メモを渡したらしい。(ホームの名前も言えないのだが、どうするつもりだ??オババ!!)

すっかり電話番をする気になって鉛筆をにぎっている。

用事を済ませて、すぐに戻ったTさんを見て、
「あら、あんた早かったじゃない。電話なかったわよ」とお役御免で残念そうだったと。

みんなでその活躍ぶりを見て、聞いて大笑いしたそうだ。(私も涙を流しながら大笑い)
認知症のご本人が、ここ一番という時に手助けしようと一肌脱いで大真面目でやるからなおさら愉快だ。(自分の親でも面白い)

家の家族ほどホームを訪問するファミリーは他にないらしいが、家族の思いやりをとても感じるから、応援したいと言っていた。

兄夫婦も、本当に良く訪問してくれるのだが、来たくて来ていると言っていた。
会いたいから会いに来る。義姉までそう言っていた。楽しみだと。

そう言えばKzさんも、会いたくなるらしいから・・・オババにはそんな素質があるのだろう。
だから、スタッフの皆さんも慕って寄って来て下さる。

「クソばばあめ!」と言いながら、義務で行って手こずっているのは、私くらいか・・・と反省しつつ、そう言えば自分も半分くらいは楽しみに行っていることに気が付いた。

得な人だ(苦笑い)

私も可愛いおばあさんになろう(素質があるかは甚だ疑問だが)


[追記]
夕方オババから電話があった。
「ソラちゃん今日はありがとう。(ミラクル!病院へ行ったことを覚えている!)
折角病院へ行ったのに、便秘の薬を出してもらうの忘れちゃったの、惜しいことをしたわ。」
「うッ・・・」(言葉に詰まる、整形外科だもん)

やはり、素質だ、私は叶わない。


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