2013年7月2日火曜日

貴婦人と一角獣展 〜The lady and the unicorn

乃木坂にある国立新美術館でやっている『貴婦人と一角獣』展を観て来た。

1500年頃に制作された6面のタペストリーでフランス国立クリュニー中世美術館の至宝だそうだ。日本初公開。




6枚合わせると全長22mというから、天井から吊り下げると壮大な光景になる。
ちょうど小さいものでも6畳間にピッタリと敷き詰めた絨毯くらいの大きさがあるだろうか? 高い天井でないととても納まらない。



久しぶりに音声ガイドを聞きながら鑑賞した。
『あれ?!この声知ってるぞ、お蝶婦人の声だ!』アニメ、『エースをねらえ』のお蝶婦人、池田昌子さんの特徴的な懐かしい声がした。

ミル・フルールという千花模様が散りばめられた朱色のバックの所々に実にキュートな小さな姿の動物たちがいるのだが、その可愛らしさに思わず微笑んでしまう。

そして、6枚とも真ん中に浮き島みたいに、ダークグリーン(に見える)の楕円のゾーンがあり、そこに貴婦人と一角獣が乗っかっている。

獅子とか、犬とか侍女とかも居るのだが、どうしても貴婦人と一角獣に目が行ってしまい、ユニコーンのうっとりした従順な目が何とも優しい気持ちにさせてくれる。
6枚それぞれには意味があるのだが、ちょっと調べれば分かる事なのでここには書かない。

私は、ミル・フルールや浮き島の中に点在する下記のポストカードにいるような小動物が妙に気に入り、、、わくわく。




作品を観ながら、どこが切れ目なのか、どうやって作るのか本当に悩んだ。
繊維の質感や色彩に魅せられ、うなりながら・・・

しかし、最後のコーナーで手作業でかぎ針のような物で一目ずつ引き抜いていく制作過程のビデオを観たら、「いやあ、これはすごい仕事だ!」と、やっと納得できた。



こういう仕事は大好きだ。
いつかひたすらこつこつと、色彩の組み合わせを思いながら、小さなものでも創ってみたい気がする。


ところで、今回初めて国立新美術館へ行ったのだが、とても素晴らしかった。

アトリウムにあるラピュタの空中庭園のようなレストランも良かったし、ちょっとした通路でもその空間の使い方、椅子の置き方、全てが訪れた人々の為に作ったと思わせるゆったり感があり、このようなゆとりの中に居ると人間心豊かになり、大変仕合せな気持ちになるものだ。

フランスへ瞬間移動したような気にしてくれる、日常の生活に疲れた人間に小旅行させてくれる全くの異空間だった。

土地のない東京の都心にこのような思い切った文化的施設があるとは、、、嬉しかった。
tranquila ・・・深呼吸。

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