2014年11月21日金曜日

黄斑円孔手術 その③ 〜退院後、視界と生活

今回の黄斑円孔に関して以下のことを書いてきました

1.加齢性黄斑変性だと思ったら硝子体黄斑牽引症候群だった 
2.黄斑円孔〜不思議な世界 
3.黄斑円孔手術その① 入院、手術、そしてうつ伏せ開始
4.黄斑円孔手術その② これからが本番、うつ伏せ地獄!
5.黄斑円孔手術その③

6. 黄斑円孔手術その④ 術後1ヶ月半視力
7. 黄斑円孔手術その⑤ 退院後2ヶ月検診、反対側の眼も手術が必要!
8. 黄斑円孔手術その⑥ 〜奇跡だ〜、硝子体が網膜から離れた!!
9. 黄斑円孔手術その⑦ 〜一年後の様子
10. 黄斑円孔手術その⑧ 〜手術後2年目の様子
11. 黄斑円孔手術その⑨ 〜術後2年半
12.黄斑円孔手術その後、 網膜剥離手術① 〜裂孔原生網膜剥離になってしまった!
13. 黄斑円孔手術その後、 網膜剥離手術② 〜原因
14. 黄斑円孔手術その後、網膜剥離手術③ 〜術後1ヶ月以内の様子
15.網膜剥離再手術① 〜手術後1か月で再発!! 悪夢の日々

16.黄斑円孔その後、反対側の目の網膜剥離再手術② 〜再手術後1ヶ月、シリコンスポンジとシリコンオイル


そして今回が シリーズ5回目、その③です:

手術前の右目で見る世界は、真ん中が吸い込まれるような、つままれているような感じでグシャっとつぶれ、色々な所がギザギザ欠けていた。そして物体が全体にスリムで小さくなり、焦点を合わせようとすると、真ん中がすっぽ抜けて消えてしまい、何もなくなる。
丁度信号機を見ようとすると、そこが消えてしまい信号が何色なのか分からないことになる。

手術前に何度か執刀医の先生がこう言っておられた
「この手術はやってもあまり視力は改善されないかもしれません。仮に改善するとしても白内障の手術をしたあとみたいに、いきなり良く見えたりはしません。1年かけて徐々に改善されていく程度です。」



手術後3週間が過ぎ少しずつ生活が落ち着いて来ている。
退院の時には、洗顔駄目、洗髪は美容院で、お風呂は首から下ならばOK。家事は駄目、出前で全て済ますくらいのつもりでうつ伏せに専念しなさいと言われて茫然と家に戻ったものだった。

食事の宅配の申し込みをしようと思ったが、何しろうちのダンナさま駅弁ですら歓迎しないのだから、とても無理・・と心底気が重かった。実のところ私は全くなんでも良い、毎日その辺のお弁当だって平気だ。一人分ならばどうにでもなるが・・・

そこで、Kzさんは、1週間分の食料を買い込んできた。冷凍食品やレトルトなど。私はうどんが好きなので、冷凍のうどんはとても役に立った。Kzさんの買って来る冷凍食品はちょっと高級品なので、なかなか美味しかった。

後は、スープにパンに、ハムやソーセージ等に、フルーツヨーグルト・・・などなど。
そして初日には大きな鍋に、ローストビーフができるくらいのブロック肉を丸ごとジャガイモや人参セロリなど、皮付きのままことこと煮込み、それを数日スープにしたり、ポトフにしたり、シチューにしたりカレーにしたり、最後には雑炊で味を変えて乗り切った。

そのうちにノロノロと私が起き上がって、視界の中の物体が丁度包丁の位置に来て邪魔になりながらもちょっと調理したりでき、どうにか乗り切ってしまった。kzさんもいつもよりずっと早く帰宅して、随分食事を作ってくれた。

顔を濡らしてはいけない、汗すら目に入らないようにと言われ、蒸しタオルで拭くだけの日々が続き、今でもお化粧ができないでいる。
石けんが目に入ったときの痛みは元気な時でも結構強いので、今やったら大変だ。まだまだ白目が赤く充血しているし、ゴロゴロするし、まぶたも腫れているのだから。

退院後1回目の検診の後から家事のお許しが出て、家事復帰。それでも目に異物が入ることには十分注意しないといけない。
洗顔、洗髪は絶対水が目に入らないならばOK,と先生からお許しが出た。これもすごい緊張感で今でも洗っている。
外に一歩出ると、思ったより異物が目に入る危険があることを知った。風が吹いただけで、目を閉じなければならない。

大きめのサングラスでも入って来るので、友人のお薦めで花粉症用のメガネを買った。
こうして、埃とゴミと水に気をつけ、片目がイグアナのような目つきのノーメイクでも平気ならば注意さえしていれば、どうにか日常生活に戻れるのだと思う。
私は気が小さくて見栄っ張りなのか、イグアナの目のノーメイクは宅急便屋さんとの一瞬のご対面でもつらい。外に出て行くのはもっと嫌だ。

[視界]
家の中での視界は両目で見ている限り大分安定して来た。

ただし、一歩外に出た時の視界は、手術前よりむしろぼやけているように感じる。
私は左目も同じ病気が進行中なので、それが悪化したためか、ちょっと陽が当たればまぶしくて見えないし、薄暗くても見えないし、家の中以上の距離の世界に出ると、いきなり全世界が本当にぼやけてしまい、色彩も薄くなり、全体にゆがみもとれない。両目で見てもぼんやりしている。

ただし、黄斑の病気の特色である真ん中の穴は消えた。
ホラーの世界と言うよりも、水中世界や老眼鏡で遠くを見たような世界だ。目の正常な人が近視のメガネで見ているような・・・

そして、右目は全て細くて歪んで頼りない。左で見てから、右で見ると60%位細くなり全体にも小さくなる。

退院後1週間の検診では、視力検査でどうにも無理矢理一瞬でも見えたところの視力を取った。つまりどうにかそのC文字の方向が見えるまで見させて言わせるのだが、
「見えません」と言うと、色々動かしてくれるのだが一瞬だけ、あ「あっ、左が開いている」といった感じに見えたりする。するとその視力になるのだが、次の瞬間には何もみえないのだ。それでいいのか?ちょっと疑問なのだが・・。

その無理矢理検査を0.1から気長にずっとやらされて、0.7の視力だと言われたのだが、絶対そんなにない。だって一瞬見えただけで次の瞬間からずっと見えなくなるのだから。

まあ、次の12月の検診を楽しみにしようと思う。

つまり、視力もゆがみもまだそんなに改善されていないが、穴は消えた。
充血とゴロゴロ感はまだだし、まぶたの腫れがあり、目が半分くらいしか開かないイグアナの目だ。
この問題が次の時にどれくらい改善されるか?
夜寝る時のプロテクターは、まだ恐くて外せない。これで保護されて安心して眠れる感あり。お守りのようなものか。

悪化が止まればそれでいい、明るい気持ちで頑張ろう!





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