2015年9月16日水曜日

骨折かと思ったら蜂窩織炎! 〜認知症は記憶がないから危険もいっぱい

93歳の母はホームの廊下をシルバーカーを押しながらいつも元気に歩いている。
「私は痛いところがないから幸せなのよ」としばしば口にし、身体は少しねじれているものの、とりあえず歩けている。立派!

先日カートを手で押した時に方向によって左手に痛みを訴えた。
「珍しいわねえ〜、どこが痛いの?」チェックすると、手首が腫れて熱を持っていた。力を入れた時と左折が痛いらしい。



何となくだるそうなので、看護婦さんのMさんを呼んで診てもらった。

「骨折とかヒビが入ってないといいのですけれど・・・熱を持っているし、腫れているから、どこかでころんだのかしら?」と打ち身の跡を探している。何しろ母は認知症。直前のことでも直ぐに忘れてしまうので、何があったかわからない。
原因究明が一番の難題だ。

「骨折の確認だけはしておいたほうがいいですよ」

結局、翌日ホームドクターの回診日だったので、更に腫れが悪化してたため、病院へ連れて行ってもらうことになった。私は急だったので時間の都合がつかなかったため、ホーム長さんが連れて行って下さった。

レントゲンでは骨折か炎症か確定できず、MRIまですることになったそうだ。その結果、骨折の心配はないことが判明し、蜂窩織炎という病名をもらい、ホーム内の内科の治療の範疇に納まったので、ほっとした。

昔の医者だったら、さわれば骨折かそうでないかくらいは分かると思うのだが、果たして93歳のおばあちゃんにそんな検査の必要があったのかは、ちょっと疑問だ。

午前中2時間、午後結果待ちと点滴で、2時間。付き添い介護料がいくらになるのか、貧血を起こしそうな気分だ。いつも午前中で済むので、あまり考えなかったが、今回は目玉が飛び出るだろう。最近の病院は検査を増やして、待ち時間と混雑を助長しているような気がしてならない。

『記憶がなくなる』というのは実に便利でありながら、大変厄介なもので、いくら楽しいことでも、辛いことでも、直ぐに忘れてしまうので、何か楽しいことを企ててもその時だけであまり報われないし、逆に嫌なことも直ぐに忘れてくれるので辛さは持続しないから幸せだ。

年寄りのメカニズム!(全員には当てはまりませんが・・)

しかし、黒板ふきで消したみたいにすっかり忘れて説明できないのは、大変な危険を含んでいるということになる。つまり大事なことの見落としが生じるわけで、手遅れになる可能性も大ということになる。
つまり私たちは四六時中目を光らせていることもできないので、腹をくくらないとならない。すべてを運に任せて、何らかの覚悟が必要なのだ。

どうぞ、おばあさん、今までの運をキープして、運のよい人のままでいてください。

母は本当に運のよいひとなのです。

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