2018年1月27日土曜日

『プルートゥ』〜さらに素晴らしくなった舞台

三年前に第一回目のプルートゥの舞台を文化村で観た。
森山未來のダンスに惹かれて行ったのだが、素晴らしかった。




そして、今年二回目の上演、バージョンアップして素晴らしかった。
森山君がさらに精進して磨きをかけていた。

とても複雑な演出で、洗練されたしかも凝った厚みのある舞台装置で、役者さんたちも磨きをかけた素晴らしい出来であった。

きちんと作ってある作品は本当に観客も気を引き締めるので、劇場全体に緊張感が満ちて素敵だ。



今回はゲジヒトとウランとアブラー博士が変更になった。
アトムとお茶の水博士と天馬博士が変わらずで、もちろん演出はシディ・ラルビ・シェルカウイだ。
舞台では、フレームと巨大化した積み木のような四角い台が大きな役割を果たしていた。
フレームは多分漫画を意識しているのだと思う。スクリーンになり、壁になり窓になり、何にでもなるのだが、舞台を美しくし、区切りという意味で進行役、ナレータの役割もしているような気がする。

幾何学的で絵画の額縁のようでもあり、不思議な空間だった。
私の目にはすごい進歩を遂げていた。

ゲジヒトは前回の寺脇康文から大東俊介に変わり、ウランは永作博美から土屋太鳳に変わった。アブラー博士はずっとアクが強くなり、吹越満。前回は松重豊だった。

森山未來のアトム、吉見一豊のお茶の水博士、柄本明の天馬博士は変わっていない。
キャスティングが変わったことで別の良さが出て、サッカー選手の交代みたいに良い効果が出ていた。
ここのところ舞台で大東俊介君が出ていることが多いのだが、とてもいい味が出ている。テレビではわからない実力を感じる。

森山君のダンス、声はやはり素晴らしい。そしてダンサーたちは言うまでもなく見事だった。土屋太鳳ちゃんは、私が『真夜中のパン屋さん』で注目した有望株だっただけあって、成長甚だしいし、ダンスはうまいし声もいい。私が注目した新人さんは必ず超大物になる。彼女には奥行きがあって舞台に向いている。

それにしても浦沢直樹さんの絵はいつ見てもいい。それぞれのロボットの顔がスケッチ風の画風で舞台に出てきても、漫画というととかく軽く思われがちだが、全くもって芸術性があって、舞台でもよく映える。やはり絵がうまいのだと思う。舞台を濃く美しくしている。
井上雄彦さんの画集を持っているが、彼の絵も緊張感があってとても素敵だ。多分舞台に持ってきても素敵かもしれない。

久しぶりに前半を観てすごい!!と思った。
後半は少し難しい内容になるので、舞台も難しかった。

森山君はますます楽しみだが、すごく痩せて精進しすぎではないだろうか?と少し心配になった。
今後の海外公演も人々に感動を与えると思う。




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