2019年7月26日金曜日

認知症の特徴 〜身内の訪問は脳を活性化させる

ホームに入所して8年になる認知症の母は、当初「すぐにご家族のことがわからなくなります」と言われたのだが、97歳になった今もかろうじて私と兄のことはわかるようだ。ホームに行くと手を振ってニコニコしてくれる。

最近大声を出したり、相手をしてくれないスタッフに『バカ!」と怒鳴ったり、怖い思いをすると奇声をあげたりすることも多くなり、明らかに認知症の症状は進んでいる。



特に自分でトイレに行かなくなり、オムツあるいはリハビリパンツになってからと、シルバーカーを押して好きな時間に好きなところへホームの中を行き来していたのが、何度か転倒したため、車椅子になった時が大きな変化を呼んだ。つまり認知症の悪化だった。

自分で歩けることと、トイレができることは大変重要な鍵を握っている。
自分に置き換えてもその二つのことは肝に銘じておいたほうが良いと思う。

ここのところ記憶は大変短く、瞬間しかわからないし、会話もうまくできる日と全く他人面をしている日があるのだが、先日偶然にも、兄夫婦と一時帰国していたその長女と孫、別の日に次女と孫、三女と孫、また別の日に私、その翌日に外国から帰国していた私の娘・・・と一週間にずいぶんサービスが続いたことがあった。

普通は私が週2回、兄が2回の計4回なのだが、その週は特別だった。

次に私が行った時はご機嫌が良く、何ヶ月ぶりかで会話が成り立ち顔の表情も良くびっくりした。
記憶が瞬間しかない母に
「◎◎ちゃん来てくれたんだよ。久しぶりだね」と外国に行っていた娘のことを話したら、最近では名前や存在すらおぼろげな母が、
「うん、夜来たんだよ」
と答えたので、「私は奇跡だ〜〜!!」と、腰を抜かすほどびっくりし、こんなこともあるんだと本当に嬉しかった。

やはり脳への刺激はとても効果的で、嬉しいことや笑顔になることの重要性をつくづく思った私だった。
兄も「珍しく冴えてたよ〜」と嬉しげだった。

最後まで幸せであってほしいのだが、先日は私の顔を見ても一瞬嬉しそうだったが、すぐにあっちの世界に行ってしまい、無表情で一点を見つめているだけだったし、不快なことがあったらしく誰かに向かって大声で吠えていた。

そんな時でも少しも嫌な顔をせずに相手をしてくださるスタッフの方々に感謝です。
どんなに態度が悪くても、なぜか「可愛いんです』と皆に好かれている母は天然で、ある意味人徳があるのか、素晴らしいことだと思います。


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