2020年1月6日月曜日

2019年 フルスピードで過ぎてしまった

「歳をとると一年が早く過ぎる、20歳代はいろいろなことがあるから長く感じるのよ・・」
今年98歳になった母が昔よくそんな話をしていたのを思い出した新年の幕開けだ。100歳近い母の一年はどんな速さで過ぎているのだろう?それを問うても、今は目の前の私に向かって微笑むだけで言葉の答えは返ってこない。

2019年は新年のスタートが昨日だったような気がするくらい速くて短かった。私にしては結構盛りだくさんだったような気がするのだが・・・やはり歳のせいだろうか?



一昨年の12月にもらった強力な嘔吐と下痢が続く風邪のおかげで、体力が極度に衰えたまま新年を迎えた。すごく忙しい12月だった上、年末年始は息子のファミリーと過ごす時間が多かったのでおさんどんにかかる時間が多く、その上に大掃除、遅れた年賀状作り・・・etc,etc. 恒例のお正月の雑用で働きっぱなしだったのですっかり疲れ切って、正月早々又風邪を引きなおしてぐったりしてしまった。

10日から主人の友人T夫婦とハワイの島巡りクルーズというのに予約してあったので、それに出発した。私たち夫婦はクルーズというタイプではないのだけれど、T夫妻からお誘いを受けて、参加することになった。初めてのクルーズで大変興味深かったし、船旅は動く養老院と言われるくらい老人には優しいらしいし、いざとなったら船の中で休んでいればいい〜と思っていたのだが・・・。

現実はハワイというのにとても寒く、半袖を着る機会が一度もないくらいの日々が続き、最後には限られた空間である乗船中のプライドオブアメリカ内で流行り始めていた風邪にかかり、すごい高熱で常夏のハワイの船室でダウンジャケットを着て布団をたくさんかけて、その中でガタガタ震えていた。
こんな強力な風邪は初めてだった。

それでもそれは最後の3日間くらいのことだったし、前半は普通に旅行できていたので救われたが・・・ちょっと2019年を暗示しているようで可笑しくもあった。厄払いか?それとも予兆か?
私たちが帰国した後ハワイで雪が降ったということだ。まあスペシャルな歓迎と思っておこう。

風邪で始まった2019年もそのあとは体調を崩すこともなく過ごせたが、20年やってきたスペイン語の先生がメキシコに帰国してしまい、唯一私が続けていたスペイン語の勉強を続けられなくなったのが大きな変化だった。もちろんこの歳になると忘れることの速さも大いに怖い。すでに単語が出てこない!歳をとってからの20年分の学習など、吹っ飛ぶのは一瞬だ。それに比べて若い頃にやったことは今でもかなりはっきりと定着している。

これも母の言う時間の濃さと関係しているのだろうか?

母の介護の合間をスペイン語で埋めてどうにか社会との接触をつなぎとめていたのだか、それがなくなったので、何か変わりを作らないと・・・と絵本の翻訳のクラスと、昔20年ほど続けていた英語のクラス(本と映画)に復帰した。これはどちらも隔週なので、毎週だったスペイン語と合計すればそれほど負担は変わらないと思い、始めたのだった。

母と犬と孫の世話と主人の仕事の関係で月2回ほど軽井沢に行くことになる日々の合間に埋め込む形だった。これはどうにか機能した。予習等の準備で多少忙しくなってしまっても社会との接触を持てることは大変精神的にもストレス解消になり、大事なことだった。好きなことならば続けられる。

8月には、義父の三回忌があったり、9月にはT夫妻との台湾旅行(今回は私たちが計画しアレンジする番)があったりして、今年は合間に小さな旅行も加わったりしたので、いつもの雑用で忙しいだけの日々に花を添えてもらえた。

年末には主人の仕事の関係で、20年ぶりにロサンゼルスに行き、シアトル経由で帰国した。昔住んでいた国を訪れるのはとても不思議でいい感じだ。こういうのを懐かしいと言うのだろう。それにいつも仕事オンリーの旅なので、二人で少しでもプライベート感のある旅行するのはとても久しぶりで、楽しかった。母のことも犬のことも心配せずに久々の開放感に浸り、「ねばならない」症候群に陥りかけていた自分に潤いを与えてくれた。

そんな年だったから久しぶりに楽しくて早く過ぎたのか?主人はやることが多過ぎて長かったと言っていたので、私の謎は残ったままである。

しかし、色々大変だったここ数年間の重さに比べると暗闇から抜け出しつつあるような開放感のある、良い年だった。今年はもっと闇から抜け出せると良いのだが。

母は98歳になり、主人の母も91歳。私たちも70歳を前にしていつ何が起きても不思議ではない日々ですが、今年も振り返った時に「良い年だったな」と思えるような年にしたいです。



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