2021年2月20日土曜日

右手首骨折と手術② 〜軽井沢、ツルツルの氷の上に雪が積もった急な下り坂にて・・

一つ前の続きです。

診察の時に先生が「痛いですよ」というや否やぐぐグッと患部を動かした。本当に痛くて涙がポロポロ・・・そしてギブスのようなもので固定してくださった。

「少しすると固まるから・・・」と、固定されるとなんだか自分の部屋に入ったような安心感に包まれた。

右手首の橈骨遠位端骨折。レントゲンには、わたしが見てもはっきりわかる骨折の映像があった。CTではもっとはっきりと・・・・無惨!そしてその周りの組織は粉々に傷だらけ、肘の骨も怪しいところが・・・「これは手術しないと駄目ですね。」  

それから4日後、金属板とボルトで固定する手術が行われた。


右腕の部分麻酔でやるということで・・普通全身麻酔でやることが多いらしいのだが、なぜわたしのケースで局所麻酔になったのかわからない。もっとも今までの手術で麻酔が覚めた後の吐き気との戦いが何度かあったので、麻酔には慎重な方が良いのかもしれない。

腕の付け根を止血バンドでかなりきつく締め、血液が患部に来ないようにしてやるらしい。ちょうど採血をするときのゴムのチューブがとても強力になったようなものだ。それをぎゅーっと脇の下から肩に近いところまで締め付けるのだ。

当日なぜか異常に血圧が高く下がらないため、止血バンドを強く締めたらしい。非常に締め付けが痛くて、手術よりその締め付けで気が遠くなるくらい苦しんだが、手術は無事終わった。

映像で金属板をボルトで締めらる画面を見ながら、わたしはバンドの締め付けの痛みと戦っていた。汗びっしょりでほとんど気を失いそうだったので、とにかく呼吸に集中して深呼吸を繰り返した。

普段輪ゴムが手首にあるだけでも苦しくなるわたしは、靴下のゴムもすぐだるくなってしまい駄目、パジャマの手首にあるゆるいゴムも駄目・・・関係あるかわからないがマニキュアを爪に塗っただけで息苦しくなるのだ。


金属板を取り除く手術の時は全身麻酔でやってもらおう。もう窒息感がトラウマになっているので。

とにかくわたしは生きているし、術後も順調だ。そしてリハビリが始まった。

左手だけの生活は想像以上に大変だった。トイレに行ってもペーパーを使えない。パンツの上げ下ろしもできない。捻るものは一切使えない。口でくわえて左手で回す。少しでもねじれがあると片手では大変なのだ。足で支え脇で挟み・・とにかくサヴァイヴのために何でもした。顔は洗えないし、クリームを塗れない。今はこうしてパソコンも打てる。力を入れないことで真っ直ぐに動かすことならば可能だ。ありがたい。たとえ左だけしか使えなくても。右手を添えることさえできればこんなに楽なのだ。

とても良い経験をした。お体の不自由な人のことを思うと弱音は吐けない。わたしの場合は、いずれ右手が帰ってくるのだから。今のうちに左のスキルを磨いておこうと思う。

痛いけれどリハビリを頑張って、日常生活でも手をつくような二次災害が起きないように注意するつもりだ。手をつかない、重いものを持たない、濡らさない・・。来週の抜糸無事にすみますように。続きは→

 

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