久しぶりにたっぷりの自由時間ができたので、私にとったらとても贅沢な時間・・吉田秋生さんのシリーズをたっぷり読み直した。
バナナフィッシュ全19巻、YASHA全12巻、そしてイヴの眠り全5巻。なんと贅沢な〜〜こんな余裕は今まで皆無!至福の時だった。
これらを通して読むと今までと全く違ったものが見えてくる。
昔々、バナナフィッシュを読み始めたときは単行本になるのを楽しみに購入し〜を繰り返して次はどうなるのだろうか?と1話1話待ち遠しく読んでいたのだが、3つの物語をまとめて通して読むと壮大なスケールの一つのストーリーであることがわかり、本当にすごい大作なのだと発見する。これらの作品の後、作風が変わり、海街ダイアリーや詩歌川百景等の長閑な平和な作品を生むことになっていくのもとてもうなづける。
3つの作品を通して登場するのがシン・スウ・リン。彼は全ての作品で重要な役割をしている。アッシュ、静(セイ)、アリサをつなぐとても大切な魅力的な人物だ。ハラハラする私に安心感を与えてくれる。軸がぶれないから、そして全てを知っているから。
アッシュの時はまだ少年。複雑な背景があるにもかかわらず、彼を崇拝するストリートキッズのあるグループの賢いボスだった。それが中国での重要人物になるほどに成長していく。
アッシュは死んでしまったけれど、シンの中で生きている。ショーターのように。それがセイともつながり、さらにアリサにも息子の烈を通して繋がっていく。3作品を通したとても大切なメッセージはアリサが伝え、守っていってくれると思う。
そしてバナナフィッシュという人類を滅ぼしかねない危険な薬物がウイルスやクローン等に形を変えその後の作品にも人間の欲望の的として存在する。その欲望が人間を、世界を変えてしまう。
現在起きているウクライナの戦争や、コロナや地球上のさまざまなトラブルにも共通する人間の愚かさだ。
理屈っぽいことはさておき、アッシュは絵も素敵だとても美しい。静もうっとりする、アリサを初めて見たと言った時のあの顔は忘れないだろう。アリサも然り、ちょっと会ってみたいほど素敵だ・・・。ケンやルー・メイ、エイジもブランカももちろんショーターも決して脇役ではなく、大好きだ。登場人物全員が読み終えた私の中で生きている。とても生き生きして。
この作品の中に浸っていられた数日間は、本当に幸せな日々だった。人生にこんな日々があるのはとてもいいことだ。今まで忙し過ぎたから。
休暇は終わった、また現実に戻ろう。そしてまた疲れてしまったら一息つこう。
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