2020年8月27日木曜日

パグのくうちゃんのこと

2020年2月に98歳の生涯を閉じた母、亡くなった直後からコロナ禍に突入し、外出もままならない自粛生活が始まった。そして自粛が緩んでやっと納骨を済ませるために長野に向かった日に、我が家の愛犬の空(くう)ちゃんが亡くなった。たったの4歳で。
コロナ禍でペットホテルが休業中だったため車で一緒に連れて行った矢先の一生後悔する出来事だった。



元気いっぱいで、誰からも愛されるくうちゃんは2016年の2月、母の危篤状態の日に我が家にやってきた。母は生還しその後の4年間は山あり谷ありの日々ではあったが、その間にくうちゃんはすっかり聞き分けのある良い子に育ち、母の納骨の日にあちらの世界に行ってしまった。まるで母が連れて行ってしまったみたいに。

私はそのことについては話したり書いたり、写真を見たり、考えることさえもできない日々を過ごしていたが、今何かを書き留めておかねば・・と心を奮い立てて書き始めた。
傷口がぽっかり開いてしまうように心が痛く、苦しい作業だ。

くうちゃんはパグの女の子。
パグはどう見ても愛嬌はあるけれどブサイクが売りの犬種なのだが、それが大変な美形で、とても素敵なわんちゃんだった。

飼い主のひいき目と言われそうだが、散歩していると毎日必ず声をかけられ、
「可愛いですね」と言われたり、時にはわざわざ近寄ってきて
「触ってもいいですか?」とずいぶん言われた。
何も言わなくてもすれ違う人たちはみんなくうちゃんを見てニッコリ微笑んだ。

人が大好きで、お散歩でお会いする方々が近づくとそのお膝に両手をちょこんと乗せるので、みんな「カワイイなあ〜」ととても可愛がってくださった。
お散歩のペースはことごとく我が道を行くで、草に鼻を突っ込んではクンクンクンクン・・・あっちにこっちに夢中でクンクンしていた。

他のワンちゃんにはあまり興味を持たず、やきもちも焼かずマイペースで自分のしたいことをひたすらやっていた。

仔犬の頃はいたずらばかりして、夫の眼鏡をいくつかじったことか!新しいスリッパを3日でダメにし、何足壊したかわからないほどだが、今年に入って4歳を過ぎ、とても落ち着いてきていた。
食べることが大好きで、特に夫のデザートタイムには私の膝の上にいてもお腹を蹴飛ばすようにすごい勢いで夫の元に突進していく毎日だった。
食い気だけは・・・食いしん坊のくうちゃんだった。

お散歩の時間になると「お散歩行こうよ」と言いに来たし、
昼間のおやつの時間になると「ソラさん何か忘れていませんか?」とじっと私の顔を見て首を傾げた。
会話ができるようになり意思の疎通ができるようになった。

夫が車で出かける時は自分も行くと、ドアから飛び出て軽々しく車に飛び乗った。
お仕事だから今日は一緒じゃないよ、とわかるとちょこんと玄関で良い子座をして夫を見送った。窓からバイバイをしたい時は、そんな仕草で催促をするので、私は抱き上げ窓から車を見送った。車が行ってしまうとじっと私の顔を見ていて、「もう下ろしてもいいよ」と言っているみたいだった。8キロあったのでだいぶ重かったけれど。

どこにいても足元にくうちゃんがいて、くるぶし辺りに体温を感じる。
けれど、下を見てももういない。お膝にも頭の上にもソファーの背もたれにもいない。
大きないびきも聞こえてこない。
これから更に、どんな受け止め方ができるのかわからないけれど、ちょっと書き留めておきたかった。

ありがとう、くうちゃん。ソラさんの涙は枯れ果ててしまったよ。
ババちゃんのおつかいだったのかなあ? 横顔そっくりだったもんね。
天国のジジちゃんとババちゃんがうんと可愛がってくれてるよね。ババちゃんちょーわがままだから、こき使われないようにね。

いつも近くにいるあの白い蝶々さんはやっぱりくうちゃんなのかな?
またおしゃべりしようね。







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