2011年8月25日木曜日

『母の介護』 と 『まちがいだらけの認知症ケア』

久しぶりに読書の時間が持てたので、上記の二冊を読んでみた。
自分の態度の見直しのためだ。

前者は坪内ミキ子さんの102歳までのお母様を看取った手記。後者は介護の現場で35年以上かかわって三好春樹さんの認知症の人々とのかかわり方の手引書とでも言おうか・・・。

自分がほとほと悩んでしまったので、みんなどういう風に乗り越えているのか、現場の人から見たら今の母の現状はどういうものなのか、を知りたかったためである。

坪内さんのお母様は認知症ではなかったけれど、転倒をきっかけにお母様の性格が変わってしまったみたいな現象が起きて介護が始まったらしい。

認知症では無いし年齢も96歳と高齢、けれど読んでいて母との共通点が随分みてとれた。
とてもプライドが高く、かくしゃくとしたしっかりしたお母様であったこと、それが「我儘な老婆」に変わり果てたことだ。
後者の三好さんの本でも感じたのだが、歳をとるということは認知症であろうが、なかろうが同じなのではなかろうか?と思い始めた。

認知症とかアルツハイマーと言われると病気扱いになってしまうが、そんな大げさなものではなく、老人になるとみんな少なからず同じような状態になるのだ、それが歳をとるということなのだ、そんな気がする。
坪内さんのお母様とうちの母の我儘の出具合がとても似た感じがするのは、多分両者の性格が似ている面があるためではなかろうか?と思う。
そしてそれは何故かというと、プライドの高い二人は現在の自分の姿がふがいなくて受け入れられず、もがき苦しんでいる、そしてそれがイライラになって娘にぶっつけるという形で自分のやりきれない苦しみを処理している。そんな感じがする。

同じことが三好さんの本に出てくる、認知症の3つの型(竹内孝仁氏が分類)のうちの一つ『葛藤型』というタイプにぴったりあてはまる。
これは、老化や色々な障害を持つ自分が自分自身の考えているイメージとかけ離れてしまったために、なんとか自分を取り戻そうともがいている。しかも、そのイメージを取り戻す方法は若返ることしかないので、そこに葛藤が始まる、ということらしい。

こういうひとは、自分が認められて存在価値があると喜び、理解してくれる人がいると落ち着きを取り戻していくので、そういう関係を持てる人を見つけること。褒められ評価されることにより機嫌が良くなり前向きになれるので、少しずつ現実の自分の力量を再発見させ、ずれてしまっている自己像を修正していってあげると葛藤が減っていく。

そうしていければ、暴言や暴力的な行動や被害妄想や情緒不安定も少しずつ改善されていくとういことです。
これは本当にその通りかもしれない。母の行動や喜ぶこと、顔つきが変わることなどを見ていると、この本に書かれている通りに思える。

特別扱いが好き、感謝され、褒められるのが好き、権威のある人の言うことはよく聞く(私が何か言っても絶対に頭に残らない、定着しないのに、兄が言うと記憶に残る)そんな特徴をふまえてやっていこうと思います。

ここにもう一つの型の『回帰型』も少し入っているかもしれない。
そして、そこに病名としてもらったアルツハイマー型が加わるので、心して対処していかないと・・・

いずれにしても、二つの本から、できるだけプライドを傷つけずにやっていかねば、と思ったわたしです。これだけは心しておこう!

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