2021年6月18日金曜日

『大豆田とわ子と三人の元夫』2021年春のお気に入り② 〜ふとんがふっとんだ!

『 珈琲いかがでしょう』の次は『大豆田とわ子』です。『イチケイのカラス』も超個性的ではないけれど、毎週楽しみに観ました。後味の良いとても気持ちの良いドラマでした。キャスティングが最高です。又、まだ最終回は来ないけれど、『あのときキスしておけば』は、なんだまた入れ替わってしまうやつか・・・と綾瀬はるかのを観たばかりだったのでどうしようかなあと思いましたが、さすが大石静さんだけあって、脚本最高だし、これもキャスティング抜群です。


さて『大豆田』は坂元裕二さんの脚本というだけで、ワクワク楽しみにしていました。『カルテット』の時もビデオに撮っておいて3回も観てしまいました。松たか子さんが好きなので彼女が出演するだけで視聴確実です。

まず、どうして大豆田という奇妙な名字なのだろう?と思ったのですが、最後までその謎は解けませんでした。かごめちゃんも綿来で非凡な名字なのに、三人の夫が田中、佐藤、中村・・??むむ、超平凡。四人目の候補の小鳥遊(タカナシ)さんもすごい・・・この非凡と平凡の差にはどういうこだわりがあるのだろう・・・


こういうことを考え出すと坂元さんの作品ではキリがないので、本題に入ります。ツイッターやyoutubeのコメントでみんながわいわい止まることなくつぶやいているから覗いてみたら何か見つかるかも。

とわ子さんがお風呂でドラゴンボールの歌を歌い、「ふとんがふっとんだー」の台詞が出た時には、もうこの作品の虜になっていました。それから毎回ワクワク。知る人ぞ知る小道具がいっぱい。小鳥遊さんがとわ子さんに差し出したハンカチなんぞ、私の集めているハンカチシリーズのものだったので、私はさらにニンマリでした。

坂元さんの作品には、いつも他人の集まりなのに、独特に本物の家族以上に素敵な擬似家族が成立します。そこにある温かさが好きでそこにいつまでも浸っていたくなります。今回はとわ子さんを囲む三人の元夫の計四人組です。そこに単独で娘の唄ちゃんや、かごめさんもいつでも一員になれます。

みんな地のままで受け入れ、容赦無く文句や悪口を言い正直に接します。しんしんなんかよくここまでやる〜と感心するくらいうじうじし、鹿太郎さんなど小皿だけあって、器の小ささをチャーミングにみっともないほど出し・・・ハッサクさんは寡黙でボーッとしているだけなのにみんなとのバランスを保っている。そしてみんなとわ子さんが大好きなのです。たまらない世界です。


とわ子さんはいつもみんなを受け入れ、みんなのためにとても誠実に一生懸命に尽くすけれど、もちろんみんなに愛されていることはわかっているものの、時には自分だって誰かに頼りたい・・・誰かに網戸を直してもらいたいのだ。そんな心の動きや揺れが、作品全体を通して描かれている。そのいい人になり過ぎたとわ子さんの心の裏側をついたのが、会社の部下のショウリンさんの反乱だ。みんながとても大事な役割を果たしている。


書きたいことは山のようにあるのだが、最後にはみんな心の整理がついて、モヤモヤが晴れ気持ちよくおさまったのでホッとした。素敵な世界にどっぷり浸らせてもらった。

毎回タイトルを伝える大豆田とわ子の表情を見るのが楽しみだった。そしてSTUTS & 松たか子のエンディング"presence"のラップのバリエーションや、今日の主役は誰だ?と楽しみで、松さんの済んだ声とともに最高の料理とサービスのレストランでお食事をした後みたいに幸せになった。

ビデオを撮っておいたので、少し経ったらじっくり細部にも拘って観てみたい。ずいぶん見落していると思う。

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