2010年9月16日木曜日

"さよなら、愛しい人"  by レイモンド・チャンドラー


村上春樹さんの訳で "Farewell, My Lovely" を読んでみた。

というのも、英語の原書で作品を読み映画を通して色々考えてみるというテーマのKevinのクラス、今回の秋講座でチャンドラーの"Big Sleep" をやるので『この作家の世界ってどんなだろう?』と思い覗いてみたくなったためだ。

読んでいると、ダシール・ハメットの"マルタの鷹(The Maltese Falcon )" の世界が重なってきた。
映画はジョン・ヒューストンの名作だ。
しかもどちらの映画も ハンフリー・ボガードが私立探偵をやっている。一方はサム・スペード、チャンドラーの方はフィリップ・マーロウだ。
今まで全く異なった作品をやり続けていたKevinが何故マルタと似た作品を選んだのかな?と疑問に思った。もっともBig Sleep の方はまだ読んでないから何とも言えないが。まあ、何か意味があるのだろう、多分これから解明できるに違いない。

さて、『さよなら、愛しい人』は村上さんが絶賛するわりには、男性好みの作品なのかな?と感じた。あるいはハードボイルドが好きな人受けする作品?と。

内容から離れて、作家として見ると、確かに表現力がずごい。描写力と言おうか・・・。
目に浮かんでくる世界はその人が想像力が強いほど、知識があるほど、観察眼が鋭いほど、強烈に現れて来る。 つまりそこに書かれている世界がより鮮明に、多分映像では補えないほどに素晴らしく頭の中に広がると思う。 比喩力は村上さんのすごさに匹敵する。

これから読まなければいけない原書の方をパラパラ見ると、う~~ん、村上さんのおっしゃる彼の凄さがよく分かる。これは翻訳ではなかなか伝えられないワールドなのかもしれない。滑らかさと柔らかさとが加わって雰囲気が空気が広がる・・・・原文の方がずっといい!

だから、big sleep を読み終えたら又感想の続きを書こう。 
本当は、farewell, my lovely を読んでから書いた方が良いのだろうけれど・・・まず、どうしてもしなければならないことの方が優先だ! だって時間がないのだから。10月にはクラスが始まる、やばい!

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