2011年1月24日月曜日

あれ、あれ、あれれれ・・・

オババが歩けない!

週末Kzさんがバングラデッシュヘ出張だったので、泊りがけでオババの様子を見に行った。
歩けない!
椅子にどうやって座ったのかは定かでないが、そこから立ち上がっても足が前へ出ない。つまりは移動ができないのだ。
パンツはびしょびしょだし・・・えらいこっちゃ!!!


木曜日には外出しているので、それ以後の症状だ。
金曜日の朝に「明日行くから」と電話した時に、「よく動けないんだけど・・・」と言うので「もう一日待って!」と前の日まで元気だったのが分かっている私は又いつもの『大げさ気を引く作戦』だろうと思ったので、そう言って翌日出かけた。

長野駅を降りて、東急で夕飯の食材を買って、家に着いた時はテーブルを前に椅子に座ってガツガツすごい勢いで何かを食べている。食事時に動物園にいるみたいな錯角が起きた。ひとごこちして、食べ終わったので、食器を片付けて、洗濯機の中で凍っているものを干しに行って戻ってきたら、一生懸命立とうとしている。どうせいつもの我儘と甘えで無言で立たせろと催促しているのかと思ったが、手を貸して立たしてあげた後に、一歩も動かない。
「どうしたの?」
「足が前に出ない」と答える。この場においてもまだ、本当かしら?と疑問が残った。私はいつもその大げさなアクションに騙されるのだから・・・。
ところがパンツもつまりは下にはいているもの全てがびしょびしょなので、全部着替えさせた。そういえば家の中も何やらすえたような匂いが漂っている。
ベッドわきのポータブルトイレを見ると、濃い尿の残骸が・・・そこから匂っている。

全部掃除して、シーツを換えて、、、、そうしているうちに、又パンツが濡れた。パッドを当てているのに
一体どうして?と思ったら大きなパッドに上に小さな尿漏れパッドを当てているので、それが溢れて大きな方にもれているのだが、小さなパッドとの位置関係が悪くて、かなりな分量が下着の方に吸収されてしまっているのだ。
「大きいのを一枚にしないと駄目だよ。今の状態では小さいのは意味ないから・・・」そう言って良く見ると下にあててあった、大きめなパッドをもう一度使おうとしている。
「お母さん、それはもう汚れているから駄目だよ。こんなに重いでしょ?」と言うと
「だって、濡れていない」と言い張る。
「今のパッドは上手くできていて、あたる部分に不快感がないように、濡れた感じがしないように作ってあるの、でももっと奥に一杯たまっているんだよ。だってこんなに重いでしょ?」いくらそう言っても分かってもらえない。使えるものを捨てて・・・と私を睨む。
「第一衛生に悪いよ。目だってばい菌が入って大変なことになったでしょ?あれと同じ。中にあるのはおしっこだよ」
もう納得させるのはやめて、全部分からないうちに汚いものは捨てることにした。
ううう・・・重い!
坪庭を見るとパッドがぶる下がって干してある。 彼女はあれを干してもう一度使おうとしていたのだ。
89歳とはそんな時代を生きてきたのだろう。使い捨てはもったいない!こちらが正常かもしれない。
私たちは豊かさに慣れすぎた・・・・しかし、洗濯をするのは私だ!

着替えもうまく出来ないので、良く聞くとどうも右ひざが痛いらしい。
力を入れると多分神経痛を併発していて、ズキンときてしまって歩けないのだ。私にはそんなことだらけなので、よく分かる。
足がパンパンに腫れているが、ふくらはぎはそう浮腫んではいない。老化現象かしら?血行が悪いことだけは確かだ。

着替えたら、「さあ、何か食べないと!」と力んで言う。
「今たくさん食べていたよ。夕飯用意するから、もう少し待っていて。」そう言うが納得できないらしい。

今脱いだ物を洗濯していると、変な布まで入っている。そうか、下着が濡れないように工夫したつもりなのだな?しかし彼女がやっていることは、仕組みが分かっていないので、全部無駄な努力で、むしろ余計なことをしているお陰で洗濯物が増えるだけ・・・それが分からない。

『ああ、しまったさっき着替えた時におしっこをさせておくのだった』と思ったら、又されてしまった。
足の循環のためにも「おかあさん、お風呂に入って少し血行を刺激しよう」と入浴を勧めたら、「まだ早すぎると文句たらたら」「時間かかるんだからもう入っても大丈夫だよ。あがったら夕飯」
そう言って、無理やりお風呂の準備をした。

ところが、洋服は脱いだが、お風呂まで移動できない。私がささえても杖を使っても、全くもって脚を前後に出せないのだ。重くておぶうこともできない。
「ベッドからこの椅子までどうやって動いたの?」と聞いたら這ってきたという。
「じゃあ、這って行ってみよう」 オババ・キャタピラー登場!と言っても寒い長野の地でストーブをガンガンたいていてもやはり裸では寒い。
「やめようか」と言ったが、今度は本人が納得しない。
どうにかお風呂にはたどり着いたが・・・・湯船にどうやって入れたらいいの???

足湯で足先を温めてあげたら、あまり気持ち良いので、どうしても入るときかない。
又腕を痛めるかな?と思ったが、できるだけ腕に負担をかけないようにやってみた。何しろオババの世話で腕を痛め、3年無駄にしたのだから・・・しかし、腕の分が一緒に治療していた腰の方にきた。やれやれ・・・ またしても、ヨガの先生の予言的中。「あなたは、小柄な身内の女性にからまれています。キリスト教的博愛の精神を持って同情すると、一生付きまとわれますよ。ある時は切り捨てて、自分を持って、自分の身は自分で守らないといけません・・・」

ちょっとのすきに、洗濯物を干しに行き、戻ってくると、何故かお風呂のお湯を湯船の中で抜いてしまっている。小さめのお風呂なので、私が栓ををするにもオババが邪魔でできない。「足をちょっとずらして」と言っても、本人はどうしてそうしないといけないのか全く納得できない。どうしてお湯が減っていくのか全くわかっていないし、どこに栓があるのかも分かっていない。旧式な風呂なので底に手を入れて栓をしないと駄目なのだ。ホテルのお風呂みたいに外側でプッシュするだけならいいのに・・・・オババのかかとが穴の部分に押し込まれ、抜かれるお湯に力を借りて、余計動かせない。

とにかく、やっとの思いで栓をしなおし、お湯を足して・・・私はびしょびしょ。

又、這って部屋に戻りパジャマに着替えて、夕飯になった。

よく食べる・・・実によく食べる。
夕飯の後も、「何か甘いものはないの?」と食べ物を要求し続ける。
これだけお茶を飲んだらおしっこは?と思ったが、多分脱水症状もあったのだろう、もう一杯、もう一杯をやかんを二回沸かすほど、お茶を飲んだ。

又洗濯をして、干して片づけをして・・・何だかくたくただったので、私は寝た。
案の定、夜中にぬらしていた。

翌朝、兄に相談の連絡をした。
日曜日なので病院も無理だし、私はその日のうちに帰らねばならない。水曜日なら又来れる・・・ということで、歩けないのだから入院しか方法が無いだろうということで、兄が月曜日に病院へつれて行ってくれることになった。
私の力では、動かせない。

兄が来るまでのあいだの2回の食事は、またまた実に良く食べた。
おしっこの始末と着替えのあと、
「お母さん、ご飯!」と言うと這って出てきた。椅子の所で座れないというので、「言うことを聞かないで一人で暮しているのだから頑張ってみて!意地をはって」と言ったら、さっと手を出して、「これを食べれば力が出て座れる」と言いながら蜂蜜を塗ったトーストを引っつかんで取って食べてしまった!
原始人暮しているような気がした。二つ目に手を出したので、さっと取り上げる。まるで子供や犬を躾けているみたいだ。その動作の速いこと!さすがもと運動選手。
「今食べたので、座るためのエネルギーは十分です。あとは椅子に座ってから食べなさい」と言うと、惜しい~って顔をして私を睨む。これで又鬼だと言われるわい。

やはり、呆け始めているのだらろうか? 
昔からかなりないたづらっ子だったらしいが、マジそう思う。あれを悪がきと呼ばずして、誰が悪がきと言うのか?それに引き換え、私はどうしてこんな真面目人間になってしまったのだろう? やはり父親似??
したたかオババにしてやられないようにしないと、お人好しな私はまた泥沼に・・・

今頃兄が病院で色々入院手続きをしてくれているだろうか?
それとも注射一本で痛みが取れて家に戻るのだろうか?
連絡待ちだ。

いずれにせよ、又長野へ行って格闘の日々かな。
家の子供達は二人とも、何の苦も無くオムツが取れた。もちろん布のオムツで育てたせいかもしれない。今度はオババのトレーニング。 お願いだから、おしっこの仕方を忘れないで!
家の父は、死ぬ直前まで尿瓶を使うのを嫌がり、トイレに行っていた。
「ソラちゃんに、臭いと気の毒だから」と病室のポータブルを使うことまで気を遣っていた。
このデリカシーの違いはどこから来ているのだろうか?
多分オババは野蛮人の血を引いているのだろう。
私の方が、先に死ぬかも~。

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