2011年1月27日木曜日

弱音を吐こう介護日誌③ 認知症なの? ~初めてのショートステイ、まるで幼稚園の初めてのお泊り会

オババの膝にみずが溜まったので、ここのところ長野通いをしている。
家を出てオババの家に到着するまでに、なんやかんや3時間半くらいかかるから、往復していると結構な時間がなくなる。
おまけに、行っている間働きっぱなしだから・・・

ところで、病院へ行った結果は前述通り膝にみずがたまったためで、お決まりの整形外科の処方でみずを抜き、ヒアルロン酸注入の注射をしたようだ。
私の整骨院の先生はその処置に反対だ。しかしあれだけ高齢で急激な痛みをまず取り除くためには、仕方がないのだろう。
そして、入院はさせてくれなかったらしい。
こんなことでいちいち入院していたら、本当の病人の為にベッドが使えなくなってしまう、ということらしい。もっともなことだ。

それにしても、オババの足の痛みはさほど改善されたようには見えない。到着したときにやはり這っていた。イモムシよりは、赤ちゃんのはいはいに近い形になっていたので、幾分は改善されていたのだろうが、立った時に感じる痛みはまだまだ去らないようだ。

何だか忘れたが、あまり馬鹿なことを言ったので、私がいい加減にしなさい!的なことを少し強めに言ったら「ソラちゃんはもう帰ってもいいよ」とのたまった。「歩くこともできない、トイレもできないのに、そう、いいの?帰っても・・・。じゃあ帰るよ。ここに買ってきたお昼があるから食べて。」
「・・・・」
「お母さんは、もう少し素直になった方がいいよ。折角来てもこれでは、こちらの気持ちが萎えちゃうよ」少々きついがそう言った。

この日はヘルパーさんが来てくれる日なので、私はオババが言っているような怠け者のヘルパーさんなのかこの目で確認しようと思っていた。文句ばかり言って2回契約を断ってしまったので、今回は3度目になるため、本当にそんなにひどいのかお会いしてみた。なんのなんの、全然変じゃない。とても良いヘルパーさんだった。挙句の果てに「今日はいつもと違うヘルパーさんよ」と平気で嘘をつく。
多分普段大してお顔を見ないか、本当に顔が記憶に残らなくなっているのだろう。

ヘルパーさんも「さかんに物がなくなると言っています。この台詞は認知症の兆しです。まだ凶暴性が帯びてないので、良いですが、認知症ですね。逆らわずに反対したらり叱ったりせずに適当に付き合ってあげた方がいいですね」と言っておられた。
私はいつも、「そんな馬鹿なことあるはずないじゃん!」とか「お母さんの勘違いよ!」と相手にしないが、まだ正常さを残していると思っているから、本当の反応で答えている。否定してはいけないというと、全くあべこべのことをしていることになるけれど、本当に認知症と認めてしまったほうが良いのだらろうか? それとも、自分なりに少しでも正常に戻すために神経を逆なでしたほうが良いのか?よくわからない。まだ100%認知症を受け入れてはいない。だってあのオババしたたかなのだから。

ヘルパーさんのお薦めで、ケアマネの柳澤さんに相談した。
彼女はオババの様子を見て、適切な提案をしてくださった。そして、「ショートステイは如何ですか?」といわれた時に、調度私も考えていたことだったので、あたってもらった。「普通3ヶ月待ちです」と言うので、「足の痛い間、歩けない間だけでもどうにかなりませんか?」ということで、調べていただいたら、本当に運よく1週間だけだけれど、入れるというところが見つかった。
彼女は波乱に富んだ人生を歩いているのだけれど、本来運がいい!
そうすれば、寒い思いをせずにお風呂にも入れていただけるし、電子レンジを使うだけでも立ち上がるのに難儀している一番の3食が温かいお食事で提供されるのだから、この状況下ではこれほどありがたいことはない。
「多分帰ってくる頃には足が大分楽になると思うよ」こうして、珍しくオババは承諾した。

すごい勢いでお泊り会の準備をした。
何しろオムツのかさばりが半端ではない!そして玄関に荷物を並べて翌日のお迎えが来たら、絶対に行きたくないとごねるのが分かっていたので、その日の夜遅く「この荷物触っては駄目よ。お母さん並べておくとみんな元の場所に戻しちゃうんだから、絶対に動かさないで!」と言い残して東京へ戻った。

彼女がごねるのは分かっていたから、朝確認の電話もしなかった。
この『ゴネ』は半端じゃないのだ。父が亡くなった後、運動神経抜群の彼女にプールを勧めた時も1年ごね続け、やっとその気になった。そしていざ登録して、水泳教室を始めてから初めて水に入るまで、ゴネてゴネてゴネまくりどれくらいインストラクターを悩ませたことか・・・・そしていざ始めたら、高齢の初心者にもかかわらず一番うまくなってしまった。
そして20年以上続けたのだから。ゴネに負けてはならない。私が勧める事はオババにとって良いことしかないと自覚して欲しいものだ。

案の定、朝車に乗るときにゴネて、デイサービスの施設についてから又ゴネたらしい。
様子を聞くために施設に電話したら、「あの~、娘が家で待っていますから、帰りたいんですけれど~。」とゴネたらしい。「そのためだったら何でも言いますから、信じずに上手に聞き流してください。あれだけ足が痛いと、ちょっと生活が無理なので宜しくお願いします。1週間経てばかなり生活がし易くなると思います。」とお願いしておいた。スタッフの人も困っていらした。オババはしたたかなのだ。あの手この手を使ってくる。
その後ケアマネさんに電話して、「いざとなったら『2日まで頑張ればお兄ちゃんが家で迎えてくれるから』という餌でつってください」とお願いしておいた。彼女もオババのしたたかさと頑固さは嫌と言うほど体験しているので、私が伝えたいことは直ぐに理解してくださる。

施設のスタッフの女性が、「お昼を食べたら少し落ち着いて今お昼寝をしておられます」と言っていたので、この『お昼を食べたら落ち着いた』が重要なポイントで、多分私の予想ではお昼が、『食べたら意外と美味しかった』のではないだろうか??と思うのだ。今となっては食べ物とお風呂で釣るしかない!

やはりオババのゴネは続いている。
兄が、2日まで持ったら、迎えに行ってあげるよ。と言っていたのが可笑しかった。兄妹ならではの無言のunderstandだ。二人ともオババには、マジ手を焼いてきたのだから。

さて、いつまで持つか・・・
もし2日まで持ったら、今回は私の勝ちだ! オババが気が弱くなり始めていて、あるいは、意地を張るよりこのまま居た方が自分にとって良いと自覚できたということなので、少しは私のコントロール下に入ったことを意味するのだから。
しかし、オババはしたたかなのだ!どんな手を使ってくるか、何が起きるかわからない。

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