2011年5月14日土曜日

オババ家に来る!

調度金曜日の授業が休講になったので、オババを家に連れてくる計画をたてた。
ホームに入ってから初めての訪問だ。

GW中、3日連続で私が行かなかった後の不安定な後遺症がやっと癒えてきたので、そろそろ新しい刺激を与えてみようと思った。

珍しく、「1時過ぎに迎えに行くから~」をいう台詞を覚えていて、と言ってもカレンダー二箇所に書いて、メモも大きな文字で残し、更に事務所にまで連絡しておいたから・・・、「これから迎えに行くよ」と電話した時にも驚いたような様子はなかった。
ホーム長さんが「朝から楽しみにしていらっしゃいましたよ」とおっしゃったので、
「へぇ~、覚えていましたか!」と私は感心して確認してしまいました。
良かった!

部屋に行くと、着る物が決まらずパニック状態。あれこれ引っ張り出して色々試して、先日東急で買ったカーディガンに決定!まるで泥棒が荒らしていった部屋みたいだ!
「こんな部屋人に見せられない」と言うので、片付けさせられた。相変わらず人使いが荒いオババ。私はいつも下女だ・・・しくしく
呆けていてもオババのセンスはなかなかだ!!下に着るブラウスと帽子を選んであげて、まあ小奇麗なオババになった。 (たまには朝顔を洗って、おしゃれもしてよ!どう、気持ちいいでしょ?)

車で10分くらいかな? 家に到着。
初めて見る家らしい。「何も覚えていない」と言っていた。
玄関も、いつも泊まっていたお部屋も、トイレも、居間も・・・・何も記憶にないらしい。
「ソラちゃん綺麗なお家に住んでいたんだね」と安心したらしい。(今まで何度来たのか分からんのに)

お茶して、庭に咲いたバラを切ってあげて、ホームに送り届けた。
「私はこれから何処へ帰るのだったかしら?」とさかんに言っていた。

ダイニングからちらほら見えるお隣の家のお庭をぼんやり見ながら、
「あそこにお年寄りがいたよね?もう死んじゃったかしら?」とボソッと呟いた。
「えっ?覚えているの?」ビックリして聞き返した。
「そんな気がしただけ・・・」
それだけがオババがここに来たことがあった証拠になった。記憶の断片がうっすらとまだ存在していたのか、偶然だったのか・・・?

「今何時?」
「もうすぐ5時になるかな」と答えると、
「あらもう、夕飯の時間だわ。急がなくちゃ」とお土産の靴下とお菓子とバラの花と花柄のトイレットペーパーを持って満足そうに帰って行った姿は悪くなかった。
食い気だけは救いだ!

少しでも幸せな記憶が戻ってくるといいね、おばあさん。

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