2013年2月21日木曜日

弱音を吐こう介護日誌(38) 〜マイナス志向真っ只中 〜穴の開いたスリッパ

昨日、今日とおばあさんは呆けが進んで、言っていることがしっちゃかめっちゃかの上、マイナス志向一直線。
死にたい、死にたいの一点張り。

目の前の人が分からなくなるのも、時間の問題か・・・。
私は聞き流すしかない。

昨日は、その重さをどうにかかわそうと、家に戻って数ヶ月ぶりのウォーキングに。
今日は、いなげやに寄って買い物。

しかし矛先はどっしりと重く、自分が責め立てられているかのように被害妄想的にのしかかる。『何かしてあげられるだろうか?? 自分にできることがあるだろうか??』 いつもその自問自答。

おしゃべりだけは得意だったオババだが、まず会話が成り立たない。
スリッパのかかとが穴が開いてしまったので、新しいスリッパを持って行ったが、穴のあいたスリッパを絶対に処分させてくれない。

一秒経てば何でも忘れるのに、何分経っても、何時間経っても
「さっきのスリッパは?」
と聞いて来る。又、聞く。 そして又・・・。

以前に捨てようと思ってどうしても駄目だと言ったスリッパを指差して、「だって、あれもあるのだから、いらないでしょ?」と言うと、
「あんなもの、いらないわ」と言うので、しめしめ、この時とばかりにそちらをゴミ袋にいれてわたしのカバンに入れてしまった。どうせ使わないのだから。
ゴミ箱に入れると、絶対に又取り出してしまうから。

そして、それがあった場所に、穴の開いたスリッパを置いて来た。

いつも、捨てた箱はどんな物でも次ぎに行くと必ず取り出してある。ポッキーの箱でさえも・・・。やれやれ、憂鬱だ。

「じゃあ、又来るからね」
一緒に玄関まで来ると言うので、
「じゃあ、靴に履き替えないとね」お部屋を出る時はスリッパでは危ないので、靴を履かないといけないから。いつも必ずそうしている。
「そんなもの履いたことない。スリッパでいい」と言いはりながら、足下を見る。
はっと気が付いて、
「そう言えば、こんなの履いていたわ」
と靴に履き替えました。

スイッチ、on!
こんな感じでこれからも正気に戻ってくれるといいけれど・・。

こうして私は、時々心臓がえぐられるような気持ちになるのです。


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