2013年2月14日木曜日

El Principíto (星の王子さま)〜蛇はamiga?それともmala?



スペイン語のパトリシア先生との勉強会で"El Principíto"(星の王子さま)をやった。
(原文のフランス語に近い言語で読んでみよう!)

2章と21と26章を中心にやったのだが、結局全部読んでしまった。
日本人ほど、この作品が好きな人種はいないのだそうだ。

高校生の頃、英語で読んだ。そして我が家には、フランス語、英語、そしてスペイン語の王子さまがあり(日本語もあったはずなのだが・・・どこ?)、更に、サンテグジュペリに関する本は山のようにある。(ちょっとオオゲサかも・・小山くらいかな?)

勉強会で色々あったうちの面白い論点が、「蛇は友だち(amiga)か、それとも悪者(mala)か?」だった。
先生が "serpienteはもうdomesticadoされてる?それともprincipítoを騙しているだけ?さあ、みんなで話し合ってみて!"

我々のグループは、女性5人、男性1名。
女性陣が友だち、あるいは少なくても悪い奴じゃないという意見、
男性が一人頑張る、
「蛇は悪い奴に決まっている、昔からそういうものだ」などと言いながらmalaに一票! 
「蛇は狡猾のイメージがあるかもしれないけれど、知恵があって賢いとも言えるわ〜」
と、ロマンチストとリアリストに分かれた。

蛇は王子さまが地球に降り立った時、最初に出会った生き物だ。(17章)
人っ子一人居ない、砂漠のど真ん中で、地面を這っている見たこともない奇妙な生き物に向かって、王子さまが「何にもなくて寂しいね」、と言うと、
「たくさんの人と居たって寂しいよ」と、なかなか意味深いことを言う。多分今までの経験から、そんな答えが出たのだろう。蛇は一人ぽっちだった。

『ただの人』と、『関係を持った関わったことのある人』との違いだ。

serpienteとprincipítoはこの章で、ちょっと関わりを持ったのだ。蛇にとって、王子さまとの出会いは、その他の『たくさんの人と居る』だけの意味合いとは少し違う『関わり』があったのではないだろうか? それは王子さまが何かを求めて語りかけるから・・・その蛇に聞いているから。

キツネに言わせると、domesticado(飼いならすと訳されているけれど)の意味は、"crear lazos" (絆を作る)ということなのだそうだから。時間と労力をかけたそこの過程を通り過ぎないとamigoはできない。

だから26章で、毒を持った蛇が王子さまに噛み付いて魂をバラが待つ彼のplanetaに戻してあげる手伝いをしたのは、少なくとも悪意からではなく、静かなクールな好意からだと私は思った。


さて、どうしても引っかかったのは、domesticadoという言葉。
原書でも、"apprivoiser" という単語が使われています。
意味は同様に、飼いならす、従順にする、手なずける、慣れる・・・。

そして、キツネが言う飼いならすことの意味は、créer des liens..    でやはり、『絆を作ること』なのです。

でも、私にとっては、飼いならすという言葉からは、むしろか家畜化したり、上下、あるいは主従の関係があるような響きがあって、馴染めません。飼いならした後に、上下関係ができてしまうような気がするからです。

英語でも、 "tame"という単語が使われています。
言語の違いなのでしょうか?(日本語で今回は読んでないので、どう訳されているかは確認してありませんが・・)

サンテグジュペリさんにお聞きしてみたいです。

      *

「友だちが欲しかったら、まず、ボクを手なずけてごらん!」
el zorro(キツネ)になったつもりで言ってみると、心の中で『おまえにできるものならやってみろよ』と思いながら、手なずけられる方が挑戦している感じでむしろ上から目線、そして王子さまが手なずけたらそこで上下が逆転するのではなく、『対等』になるのだとしたら、domesticadoも悪くないのか・・・

自分がキツネになってみたら、サンテグジュペリさんにお聞きする前に納得しました。

ああ、楽しかった!


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