2014年3月27日木曜日

認知症の特徴 〜反射神経

母が認知症になっても、びっくりしたことが二つある。

一つは、歌。
どうしてメロディーは忘れないのだろうか?とても良い声で正確に歌う。
人の名前はいくら教えても覚えられないのに、歌詞は覚えている。

二つ目は、反射神経。
母は大変な運動神経の持ち主だったのだが、うまく歩けもしないくせに無意識に動くときの素早さは唖然とする。



今日の最高傑作は、午後のアクティビティの時、『打って、守って、じゃんけんぽん』というゲームをした時だ。

このゲームは、二人が向かい合って椅子に座り、新聞紙で作った棒状の物体(刀のつもり)と洗面器(兜のつもり)がテーブルの上にあり、じゃんけんして勝った人が刀を取って相手の頭をめがけて「め〜〜ん!」って感じに一本打ち込む。
負けた人は洗面器の兜をいち早く取って自分の頭に乗せる。すると相手の一本を防げることになるというゲームなのだが、みんな動きは悪いし認知は入っているし、理解力は無くなっているし・・・ということで、じゃんけんの結果とんでもないことをする。

つまり負けたのに刀を取ったり、勝ったのに洗面器を取ったり、折角洗面器を取ったのに頭にかぶるのを忘れていて一本取られたり・・・で見ていて実に愉快なのだ。

母は相変わらず一番最後の到着だったので、最後の出番だった。今まで勝ち抜いて来た男性は剣道でもやっていたのか見事にじゃんけんで勝つと素早く刀を取り、ぱーんと一本入れる。

二人の対決が始まった。
じゃんけんして、母が負けた。当然のことはがら相手の男性がさっと刀を取って振り上げた。その途端に母は凄い早さで、何故かテーブルの上にもう一本あった予備の刀を取りあげ、相手の一撃をその刀で交わしたのだ。
まるで女忍者、くの一だ! みんな大爆笑!

スタッフの女性が、
「イチカワさん、じゃんけん負けたんだから刀じゃなくて洗面器、洗面器。でもかっこいい!!」

真剣勝負の果たし合いみたいで、みんな大笑い。
引き分けの後3本勝負で、オババの負け!!

しかし、私は可笑しくて笑い過ぎて涙が出てしまった。

無意識の世界には認知症でも無限の可能性がある。

0 件のコメント:

コメントを投稿