2011年3月9日水曜日

弱音を吐こう介護日誌⑥ 〜ホーム生活10日目

自分の母親ながら、このしたたかさには頭が下がる!
複雑な心境だ。

文句ばかり言っていたホームの生活も、まだ頭の中はどろどろ状態で過去も未来も現実も夢の中もごちゃごちゃだが、それなりに形にはなってきている。
仕方がないので毎日通って世話をしているが、おばあさんなりに生きているようだ。
これを認知症と言うのだろうか?

今日はおやつ前の時間がぬり絵だった。
運動系だと張り切るが、途中で私を迎えに来た。
「ソラちゃん、ちょっと代わりにやってちょうだい、あなた絵を習っていたでしょ?」ときたものだ。
私って絵を習っていたっけ? そうか!トールペイントのことを言っているのか・・・

「ババチャン、それは自分でやらないと身にならないよ。だって指先を使って手の震えや筆圧の調整になるでしょ、それは使うことによってトレーニングになるのよ。ここでやることは身体によい事ばかりだから、なんでもしてみたほうがいいよ」と答えた私だが、引っ張ってダイニングルームへ行かされた。

同じテーブルにはとてもまともなお友だちになれそうな品の良い方たちが座って一生懸命ぬり絵をしている。ぬり絵と言っても幼稚なものではなく、自尊心が傷つかないだけのきれいな大人っぽいバラの花だ。みんな優等生だ。うちのオババだけが、どうやってさぼろうか、とにかく難癖をつけてさぼる手段を探している。小学校のとき、どこのクラスにもそういう子が居たっけ。
書いている絵も一番雑でひどいものだ。
但し一つ感心したのは、ただべた塗りしていないで、どうにか色わけして立体感を出そうとしている痕跡がある。しかし、あまりにも筆圧が足りず、幼稚きわまりない。

「ソラちゃん、やって」こればかり。
しかもなんで私が塗ってるの・・・・面白くてつい代わりにやりたくなるが、どうにかオババにやらせようとしている問答が可笑しいらしく、私たちのテーブルは笑いが絶えない。
みんなニコニコ大笑い!

みんな笑顔になるから、自分の親でなかったら、こんな仕事むいているのかもしれない。
老人調整インストラクター!!

とにかくトンチンカンなオババは、なかでも一番トンチンカンであることを発見した今日であった。
それにしても問題児、劣等生だったことが手にとって分かる。なんでこの親に私のような娘ができたのだろうか? やはり橋の下??

ぬり絵は駄目だったが、おやつはあっという間に食べてしまった。まだみなさま誰も手を付けてないのに・・・・やはり私の親ではないのかも。

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